雪を背景にしたミステリー3選
オリエント急行殺人事件
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ミステリーの女王と呼ばれるアガサ・クリスティが1934年に発表した推理小説が原作の『オリエント急行殺人事件』。二度目の映画化となる2017年製作版は、イギリスの名優、ケネス・ブラナーが製作・監督・主演を務め、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルスなど豪華キャストの競演でも話題に。世界一の名探偵といわれるポアロが、トルコ発フランス行きの豪華寝台列車内で起きた殺人事件の謎解きに挑む。
事件の舞台となる寝台列車は、深夜の走行中に雪崩のために脱線し、立ち往生。そんな中で乗客の一人が他殺体で発見される。車体のほとんどは、山あいに造られた木製の高架橋の上。絶対に降車できないわけではないが、雪が降り積もった中でたやすく移動できるものでもないので、犯人はすぐさま逃げ出しにくく、外部からの侵入も難しい。しかし、乗客全員にアリバイがある。列車の走行中、停車中、そしてポアロが乗客を調べる中で、雪に覆われた外の世界が冷たくも美しい映像で印象的に挟み込まれながら、ミステリアスな物語が進み、アガサ・クリスティの作品の中でも高い人気を誇る理由である驚きの“犯人”と殺人に至った真相が浮かび上がっていく。
ウインド・リバー
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『ウインド・リバー』は、アメリカ・ワイオミング州にある、ネイティブアメリカンの保留地“ウインド・リバー”で見つかった少女の凍死体の事件を描く物語。遺体の第一発見者であるハンターのコリー(ジェレミー・レナー)は、FBIから派遣された新人捜査官ジェーン(エリザベス・オルセン)に案内役として協力を求められ、真相に迫っていく。
冒頭、月明かりのもと、マイナス30℃にもなる白銀の世界を裸足で懸命に走る少女に何が起きたのか。コリーが遺体を見つけるきっかけになった白い雪の上に落ちた血が鮮烈だ。雪深い土地の景色や静けさが、恐ろしさや悲しみを増幅させる。本作は事実に基づいたもので、少女の事件の背景にあるアメリカの闇にも切り込んだ社会派作品となる。
ヘイトフル・エイト
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『ヘイトフル・エイト』は、クエンティン・タランティーノ監督による西部劇の密室ミステリー。時代は19世紀で、南北戦争から数年後のアメリカ。猛吹雪に阻まれた7人の男と1人の女が山の上にある“ミニーの紳士用品店”で過ごすことに。一夜を共にすることになった彼らは、人種も境遇もバラバラ。北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)、同じく賞金稼ぎのジョン(カート・ラッセル)、ジョンが連行している重犯罪の女デイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)、保安官クリス(ウォルトン・ゴギンズ)、店主の代わりに店番をしているというメキシコ人のボブ(デミアン・ビチル)、絞首刑執行人のオズワルド(ティム・ロス)、カウボーイのジョー(マイケル・マドセン)、南部の元将軍のサンディ(ブルース・ダーン)だ。
みんな腹に一物あるといった様子の怪しさいっぱいで、殺人が起きるのは偶然か、必然か。ヒリヒリするような、とがった会話だけでなく、視線や仕草も見逃せない。吹雪で閉ざされた世界で、登場人物たちにもヒヤリと背筋が凍るよう。タランティーノ流の密室劇で後半から一気にハードな描写が満載になるので、苦手な方はご注意を。
(文・神野栄子)
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