台湾BL『Stay By My Side』主演のキュートな2人に注目

「VBLシリーズ」は4部作で、各エピソード全10話構成。第1部は学園系、第2部はスーツ系、第3部はヒーリング系、第4部はAI系となり、現在、台湾と同時配信中の『Stay By My Side』はその第1部だ。ストーリーはとってもユニーク。ホン・ウェイジョー演じる顧歩夏(グー・ブーシア)は、バスケ推薦で入学した人類学部の学生。霊媒師である祖父に育てられたせいか、幼少期から幽霊の声が聞こえることに悩まされてきた。一方、ヤン・イーシュエンが演じる江馳(ジャン・チー)は、謎のエリート転校生。両親共に医者で彼ももともとは医学部に通っていたが、突如、法学部に移籍。家を出て寮に住み、勉強以外はバイトに明け暮れている。この江馳が歩夏のルームメートになることから、二人の物語が始まる。

幽霊が出ることを理由に3人部屋で気ままな一人暮らしをしていた歩夏は、突然の来訪者に困惑。何とかして追い出そうと幼稚ないたずらを仕掛けるが、江馳の方が一枚上手で大抵やり返されていた。そんな2人のやりとりは側から見れば、仲良しカップルのわちゃわちゃ。次第に大学構内で注目のカップルとなっていく。そんなある日、実家の霊廟を祖父から受け継いだ歩夏の姉の歩桃(ブータオ)が、自分の能力の封印を解くために霊符を燃やした際に歩夏の霊符も焦がしてしまった。これが原因で、歩夏の封印が弱まり、再び幽霊の声に悩まされるようになってしまう。

幽霊の声は寮の部屋にいる時に一番よく聞こえるため、歩夏は不眠症状態になり、授業だけでなく、大好きなバスケ部の練習もままならない状態に。ところが江馳に触れると幽霊の声が消えることが発覚する。歩夏と江馳には何らかの縁があり、そのようなことが起こるようだが、原因は不明。兎にも角にも、江馳は歩夏にとって欠かせない人間になる。だが、歩夏はそのことを江馳に伝えられずにいた。なぜかというと江馳はリアリストで、幽霊の声が聞こえるのは歩夏が特殊な環境で育ったから誤認識しているだけだと言い切ったことがあるのだ。そのため、歩夏は江馳にとって、いつもそばにいてくれる子になっていく…。ドジでかわいくて、いつもそばにいてくれる歩夏に、江馳が引かれるのも不思議ではない。気付けば、2人は互いに大切な存在になっていたが、双方の気持ちにはズレがあった。江馳は純粋に歩夏に引かれているが、歩夏にとっての江馳は今のところ貴重な消音装置にすぎない。果たして、江馳は歩夏の気持ちを動かすことができるのだろうか？

キュートな歩夏を演じるホン・ウェイジョーは、1999年8月20日生まれの今年24歳。16歳で渡韓し、芸能事務所の研究生になり、2019年に中国のオーディション番組「以圑之名」に参加。チャンピオンチーム「新風暴」の一員として、デビューも果たした。今作でドラマデビューとなり、主題歌の「牛頓與蘋果(ニュートンとリンゴ）」も歌っている。一方、クールな江馳を演じるヤン・イーシュエンは、1994年2月14日生まれの29歳。国立台北芸術大学でアートを学んだ後にモデルとして活動。その後、俳優業をスタートさせ、2020年の『破處／Leaving Virginia』は台北映画祭でも高く評価された。2022年の配信ドラマ『About Youth』では、レイを弄ぶ遊び人の元彼を演じている。

実はこの2人、学生時代に知り合いだったそうで、この作品で7年ぶりに再会。それをきっかけに交流が復活し、撮影中は親密な関係に見えるようにデートに行ったりもしていたという。役柄ではクールな江馳に歩夏が振り回されている場面もあったが、現実は逆らしく、イーシュエンがウェイジョーの言うことを聞いていたそう。そんな2人の関係が芝居に良い影響を与えたようだ。

歩夏が消音装置としてではなく、江馳を好きだと自覚し、本当のカップルになる日はいつ来るのか？また、歩夏が江馳に触れると幽霊の声が消える理由も知りたい。果たして、2人の間にある縁とは、一体何なのか？加えて、江馳が医学部をやめて法律の道に進むことにした理由も気になるところだ。注目ポイントだらけの『Stay By My Side』。毎週金曜日夜21時の更新をお見逃しなく。

（文・及川静）