新タイBL『愛の香り〜I Feel You Linger In The Air〜』の現代と過去の相関関係を紹介！

物語は現代から始まる。若き建築家のジョムは留学中の恋人・オームを思いながら、毎日忙しく暮らしていた。ジョムはいつか自分が建てた家でオームと暮らすために、今は屋敷の改修に精を出している。そんなある日、突如オームが帰国することになり、ジョムは大喜び！ところが彼は留学先で運命の女性に出会ったと言い、ジョムは突然振られてしまうのだった。その事実に打ちのめされたジョムは、あまりのショックにクラブで泥酔し、自ら運転する車で事故を起こしてしまう。

この事故が、彼を1920年代のチェンマイへと誘うのだった。なぜかタイムスリップしてしまったジョムは、そこで改修を手掛けている屋敷と全く同じ屋敷に遭遇する。さらに、そこにはジョムの妹にそっくりな外国人実業家の夫人や、オームにそっくりな青年など、自分と関係のある人々も存在していることが明らかになる。

最初に出会ったのは、外国人実業家ロバートの夫人ウアンプンだった。彼女はジョムの妹のソムジードにそっくりで、顔見知りに会えたうれしさからジョムは彼女に駆け寄ってしまうが、それが権力者の娘であり、夫人だったことから、ジョムは窮地に追いやられる。そんな彼をかばってくれたのが、ウアンプンの弟ヤイだった。

ジョムはヤイの下で働くことになるが、そのうちにまたも驚きの人物に遭遇する。ロバートの第二夫人としてやってきたフォーンゲーウが、オームが連れ帰った結婚相手とそっくりだったのだ。そして、彼女の元恋人のカムセーンの顔は、オームそのものだった。2人の密会を目撃したジョムは、不貞の目撃者としてロバートに呼び出され、複雑な立場に追いこまれる。正直に話せば、フォーンゲーウが罰せられ、うそをつけば、使用人が罰せられるからだ。考えあぐねていると、またもヤイが現れて助けてくれるのだった。

ジョムは何かと騒動に巻き込まれてしまうが、読み書きができて、英語もできたため、ヤイの執事として同じ屋敷で暮らし、穏やかな時間を過ごすようになる。こうしてヤイとジョムの距離は縮まり、2人は徐々に特別な関係になっていくわけだが、多くの謎が残る。なぜジョムにゆかりのある人と同じ顔をした人が、複数存在するのか？　ヤイとジョムの間にはどんな“縁”があるのか？　そもそも、どうしてタイムスリップしたのか？　そして現代に戻ることはできるのか？

今作は全12話のため、第７話より後半に突入する。最終回に向けて、ジョムとヤイの恋の結末は!?

（文・及川静）