韓国BL『Gray Shelter〜灰色の気流』の2人の主人公は、夢を持つ隙も与えられないほど報われない人生を歩んできた元義理の兄弟だ。2人が出会ったのは6年前。当時、大学生だったスヒョク(チャン・ウヨン)の母親と、高校生だったユンデ(イ・ジェビン)の父親が再婚したことで2人は出会った。そしてユンデが日常的に父親に暴力を振るわれていることを知ったスヒョクは、一人暮らしをしている自分の家にユンデをかくまうのだった。
虐待が原因で荒れていたユンデは、親切にしてくれるスヒョクのことも信じることができず反発する。だが、別れた父親から金をせびられ続けるという辛いもどかしさを抱えていたスヒョクは、そんなユンデにも辛抱強く向き合うのだった。結局、スヒョクの母親とユンデの父親の結婚は長くは続かず、2人の兄弟関係もあっさりと幕を閉じる。
475592 『第1話 似た境遇』 https://tv.rakuten.co.jp/content/475591/
それから6年が経った。スヒョクは、ユンデが家にいた頃に入社したエアコンの修理業者に勤め続け、相変わらず父親から金をせびられ続けていた。そんなある日、エアコンの修理先で2人は偶然再会する。そこはユンデの彼女の家で彼は居候していたのだが、別れることになり、またも行き場を失っていた。そうして、ユンデは再びスヒョクの家に転がり込むことになるのだが、2人の関係はさして変わらなかった。
ユンデは相変わらず荒んでおり、毎日ゴロゴロしていたが、スヒョクはユンデに文句を言うでもなく無表情で仕事に精を出し、2人の生活は一見、穏やかに過ぎていった。ところが、ユンデがついた“うそ”が2人の時間を引き裂いていく。激高型のユンデは苛立ち、感情を表現するのが下手なスヒョクは、故障した業務用掃除機に八つ当たり。そして、この出来事が2人の関係を大きく動かす。
スヒョクの勤務先の上司が指摘する通り、ユンデが家を出ていけば事は解決するのだが、スヒョクはどうしたいのか?それはユンデも気になっているところだった。6年前に出会った時から“似たような境遇だから”と親切にしてくれたスヒョクだが、彼の本心はどうなのか?互いに親ガチャに外れ、ほんのいっとき義理の兄弟だった縁から親切にしてくれているのか?そんなことがあるのか?
475595 『第4話 葛藤』 https://tv.rakuten.co.jp/content/475595/
ある晩、ユンデは酔って帰宅したスヒョクと言い合いをする。ようやく、6年の時を経て、互いに本音をぶつけ合う時間が訪れたのだ。そして、「なぜ俺のところに来たんだ?」と問うスヒョクにユンデが突然キスをする。ロマンチックのかけらもないが、それは確かなキスだった。反抗的な態度を取りつつも、ユンデは彼との時間に安らぎを感じ、ずっと好意をいだいていたのだろうか。一方、スヒョクもユンデの存在に癒やされていたのかもしれない。だからこそ、突然のキスにスヒョクも応えたのだろう。
だが、このファーストキスの解釈は、見る人によってさまざまだと思う。もし、身近にBLファンの知人、友人、家族がいるなら、それぞれの見解を語り合ってみるとより面白く見られるだろう。ただし、2度目のキスの解釈は、みんな同じだと思うが。
(文・及川静)
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