
『相思相愛~My Dear Gangster Oppa』の主人公は、大学で“陰キャ”と呼ばれている地味めのガーイ(Pingことクリッタヌン・アウンチャヌヌン)と、イメケンだけどちょっと怖そうな雰囲気のティウ(Meenことニッチャクン・カジョンボリラック)の二人。ネットゲームで知り合った二人は、最初こそ言葉少なで互いに目も合わせなかったが、気付くと互いに引かれ合い、“陰キャ”だったガーイの生活はキラキラと輝きはじめる。一方、表向きは慈善事業も行う富豪として知られているマフィアのボスの元で働いているティウも素直なガーイと共に過ごすうちに、自然とカタギの生活に戻りたいと思いはじめるのだった。
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もちろん、当初のティウは、自分の本業を隠していた。おそらくガーイに拒絶されることが怖かっただろうし、危険も伴うからであろう。そのため、ティウはタイしゃぶの店をやっているとウソをつき、そのウソを実(まこと)にするために開業準備を進めていた。ところが、第3話でティウの本業を嗅ぎつけたガーイの親友のワーン(Winnerことタナタット・クナネックシン)が、ガーイに告げ口をしてしまう。普通に考えれば、親友が危険な相手と交際しようとしているので阻止するために教えたように見えるが、ワーンの場合は少し違うように思える。ワーンには自己中心的なところがあり、自分の時間が空いている時はガーイと遊ぶが、彼女から電話がかかって来るとすっ飛んで行ってしまう人物なのだ。
そのため、“都合のいい親友”であるガーイが他の人と親しくなることが気に入らなかったらしく、ティウの粗探しをしていたのだ。しかし、ワーンの思惑は外れ、ガーイは本当のことを言ってもらえなかったことに傷付くもティウへの思いは変わらず、二人の絆は深まっていく。だが、ワーンも簡単には諦めない。
第4話以降は、まるで独占欲の強い彼氏のようになり、「俺の一番大切な人はお前だ」「俺はお前のそばにいる」などと言い出すのだ。確かにガーイはずっとワーンのことが好きだったが、親友時代に相手の気持ちや都合を考えられなかった人間が、自分の本当の気持ちに気付いて恋人になったとしても、急に思いやりを持てるようになるとは考え難い。繰り返しになるが、ガーイには、彼自身の気持ちを第一に考えてくれる人と一緒になることを願うばかりだ。
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そして、もう一人、ガーイとティウの仲を引き裂こうとする者が現れる。それはティウと同じ組織に所属する、ケンジ(Tommyことトミー・チャラポン・ルアンスワン)だ。彼はティウに拾われて組織入りしたにも関わらず、優秀なガーイを目の敵にし、何かと突っかかってくる面倒な相手。麻薬に手を出すなど猟奇的な人物である上にズル賢いので、何をしでかすか分からない怖さもある。第4話にて、ティウが組織から抜ける条件に、このやっかい者のケンジを殺害することをボスに命令されるが、根が善人のティウは生かして逃がすことを選択した。しかし、ケンジは恩を感じるような人物ではなく、その後もティウを狙い続ける。
おまけに、ケンジが生きているだけでティウがボスからの命令を無視したことが明らかになってしまうため、組織からも狙われる可能性も…。住む世界は異なるが、出会った瞬間から“相思相愛”になった二人が、誰にも邪魔されずに幸せな時間を過ごせる場所は果たして見つかるのか、ラストの8話まで見守りたい。
(文=及川静)
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