(文&写真:岩村美佳)
『HIROKI NANAMI 5th Anniversary Orchestra Concert “Dearest”』の配信チケットはこちら
ーアーティスト活動5周年を迎えた思いをお聞かせください。
まさかアーティスト活動をして歌を出すなんて!と、自分でも驚いたところから始まりました。この5年の間に、チャレンジしたり、自分らしい曲を作っていったりと、色々なアプローチ方法を模索し、最近は役者として歌うという自分なりの表現を見出すことができた5年だったと思います。自分の歌に対する思いも、好きだけれど苦手というところから始まったのでまだまだですが、やっぱり歌うのがすごく好きなんだなと、感じることができたので、とても意味のあるアーティスト活動5周年だなと思います。
ー役者として、役として歌うのが好きだと気づいたのはどんなきっかけがあったのでしょうか。
アーティスト活動の最初は、「七海ひろき」として、自分の思いを届ける気持ちで歌い始めたんですが、歌が苦手という意識があるからか、殻を破り切れない部分がありました。自分らしく想いを届けるためにはどうしたらいいか考えたときに、どういう気持ちで歌うかとか、この登場人物はこんなことを考えているのではないかとか、いわゆる役作りをして歌った方が歌いやすいんだと、この5年で感じるようになりました。それを一番感じたのが、昨年開催した「HIROKI NANAMI One-man LIVE773 “DAYLIGHT”」のライブです。自分の中で、すごくしっくりきた瞬間がありました。リハーサルをしているときに、どの曲においても、どういう人物像で歌っているかを自分の中でイメージして、その人物がどんな気持ちで歌っているかを一番に優先して考えて、その後に音程やメロディーを考えた時に、一番最初に来るのが気持ちなんだというのを徐々に感じていたんですが、「DAYLIGHT」のライブでストンと来る瞬間を感じました。それからは、歌を歌うときは、舞台でも、アーティスト活動でも、そのときの瞬間の感情を大事に歌おうと決めました。
ーそうすると、1曲1曲で人物が違ったりすることもあるんですか?
そうですね。キャラクターソングではないのですが、単純に一つ一つのキャラクターがあった方がいいなと思って。ちょっと内に秘めた人がこの歌を歌ったらとか、すごく明るい性格の人が歌ったらとか、そういうふうに一つ一の曲を考える、自分でもその方が歌っていて楽しいなと思ったんです。最近よく思うのは、すごく明るい曲を、実は割と内向的な人が歌ったらとか、逆のことを考えながら歌うと、その役によって感覚が変わってきたりするのかなと。そんなことを考えながら歌うのが楽しいです。
ー同じ曲でも主人公が違うケースもありうるんですか?
この曲はこういう人物で歌ってみようという、主のものはあるんですけど、ちょっと違うタイプの人が歌ったらどういうふうに歌えるのかなと、考えて練習するのも楽しいんですよ。
ーそうすると無限大ですね。
観ている方に、どこまでそれを感じていただけるかは、私の腕次第ですが、いろいろトライすることによって歌い方も変わってくるだろうと思っています。
ーアーティスト活動を振り返って印象に残っていることをお聞かせください。
自分の中ですごく挑戦だった『FIVESTAR』というアルバムがあります。アルバム制作のときに、今まで歌ったことがないタイプの曲を歌ったので、難しさもあったんですが、こういうのも歌えるんだという発見もありました。『GALAXY』と『KINGDOM』は自分らしさを出すアルバムでしたが、『FIVESTAR』で初めてすごくチャレンジングなことをしたんです。アーティストとしての挑戦をしていこうという気持ちが生まれたアルバムなので、『FIVESTAR』を作ってよかったと思います。
ーアーティスト活動5周年を記念したコンサート『HIROKI NANAMI 5th Anniversary Orchestra Concert “Dearest”』について伺います。タイトルの “Dearest”について、宝塚でのディナーショーと同じタイトルとのことですが、ぜひその思いをお聞かせください。
宝塚在団中に、退団前にディナーショーをさせていただいたのですが、そのときに “Dearest”というタイトルにしました。どうして “Dearest”にしたのかを思い出してみたのですが、退団も決めていたので、当時16年やってきたのは、本当に皆さんがいたからこそで、ひとりだったら無理だったという気持ちがありました。その感謝も込めて、 “Dearest”は最高の人、最愛の人という意味なので、「皆さんが私にとって最愛の人になってくれたから、私は今ここにいるし、今の私があるんだよ」という気持ちを込めて “Dearest”とつけたことを思い出したんですよ。 “Dear”じゃなくて “Dearest”は最上級だからいいじゃん!すごくいい題名思いついた!みたいな(笑)。
今回、コンサートのタイトルもいろいろ考えました。皆さんにお届けするものとして考えたのですが、 “Dearest”に勝るものが思い浮かばなかったんです。5周年やってきて、本当にみんながいるから今がある、その感謝の思いはやっぱり変わらない。当時よりも大きく深く思う気持ちがあったので、この5周年という記念すべきコンサートの名前はこれしかないという思いを込めて “Dearest”にしました。
ー当時と今が繋がっているということですよね。
私にとって、皆さんと一緒に進んで歩いていくというのは、宝塚にいたときも今も変わらないと思いました。退団するときに「変わらないために変わり続けたいと思います」という挨拶をさせていただいたんですが、それも同じことで、やっぱり変わらないけれど、どんどん積み重なっていく部分も含めて、皆さんに「 “Dearest”だよ」って。そして、観にきてくれる皆さんに「私は “Dearest”」って思って聴いて欲しいです。
ー “Dearest”が集う場ですね。その記念コンサートをオーケストラ・コンサートにしたいと思った理由をお聞かせください。
5周年ということで、何か記念になるものにしたいなと話し合っていました。ちょうど「オーケストラ・コンサートをやってみるのはどうですか」というご提案をいただいて、すごく素敵だなと一気にテンションが上がりました。もちろんこれまでバンドの皆さんとやってきて、すごく良かったのですが、オーケストラでやると曲も全然変わるじゃないですか。単純にそのオーケストラで歌ってみたいなと思ったんです。
在籍していた宝塚歌劇団というところは、生オーケストラで上演するところで、いつもその環境で歌っていましたから、この5年でそれとは違う、バンドで歌う経験を習得した自分が、もう一度オーケストラで、しかもフルオーケストラで歌ったらどうなるんだろうと、それを皆さんに聴いていただけたらいいなと思ったので、「ぜひやってみたいです」とお願いしました。
ミュージカルのオーケストラとは音も違うと思うので、フルオーケストラってどんな感じなんだろうと、今から楽しみにしています。同じ曲でも全く違うんだろうなと思いますね。
ーその内容について構成など伺えることはありますか?
セットリストを考えたときに、オーケストラで映える、華やかで盛り上がる曲を中心に選んでいこうと思いました。さらに5周年なので、自分が今まで出してきた曲の中でも、みんなが聴いて耳なじみのある曲や、思い入れのある曲を歌っていこうかなと。さらに宝塚時代に歌っていた曲も何曲か歌います。
ーオーケストラに合う華やかさをテーマに選ばれているんですね。
みんなが聴いたら喜ぶんじゃないかという曲や、私も歌ってみたい曲を選んだ中で、オーケストラに映えるのはどれかと絞り込んでいった感じです。私も早くオーケストラの音を聴いてみたいです。どの楽器が入るのかなって楽しみで、アーティストとして歌っている自分の曲も、宝塚在団時に歌った曲も、ここでこんな楽器が入るんだとか楽しみですね。
構成的には、昼と夜では、宝塚時代に歌っていた曲で変える曲もあります。
ーファンの方々に楽しんでいただきたいポイントや、お伝えしたいことはありますか?
この5年を思い、そして昔のこと思い、新しくファンになっていただいた方には、私がどんな曲を歌っていたのかを知ってもらえる機会だと思うので、私のこれまでの道筋に思いを馳せて聴いてもらえたら嬉しいです。きっと何か届くものがあるんじゃないかと思います。
ー今後のアーティスト活動の未来に向けての展望などをお聞かせください。
7月3日(水)に『夜の隨(よるのまにま)』がデジタルシングルリリースされます。7月から放送開始のTVアニメ『戦国妖狐 千魔混沌編』のエンディングテーマを歌わせていただくのですが、自分の中で声優をこれからもやっていきたい、何かの形でアニメに関わる曲を歌っていきたいという気持ちは今後も持っていたいと思います。先日、『KING SUPER LIVE 2024』で、本当にたくさんの方々に観ていただいて、とても勉強になりました。すごいアーティストの方がたくさんいらっしゃるので、フェスとかにもたくさん出させていただき、私を知らない人にも知っていただいて、いろんな人に歌を届けられるようなアーティストになっていきたいと思います。
ー『夜の隨(よるのまにま)』はどんな楽曲でしょうか?
TVアニメ『戦国妖狐 千魔混沌編』エンディングテーマということで、『戦国妖狐』の世界観に本当にぴったりの曲です。私が演じる千夜という役が、ヒロイン月湖のことを思って歌っている曲です。千夜は最初は心があまり豊かではない、表情も乏しく、気持ちもあまり外に出さないような少年で、だんだん成長していって、自分の気持ちがわかってくるのですが、そういう部分もこの曲の中に入っています。
最初から最後に向けて、気持ちがどんどん豊かになっていく曲調と歌詞で、そういう部分も表現できたらいいなと思って歌っていきました。千夜が月湖を思う、いろんな感情が表現されている曲になっていると思います。
ービジュアルの青い世界観に吸い込まれる感じがします。
月の光の中にいるみたいな色合い、この何とも言えないブルーが月夜に歌っている感じでとても素敵ですよね。
ーとても素敵ですね。主人公・千夜を演じている思いもお聞かせください。
『戦国妖狐 千魔混沌編』で、初めて主人公をやらせていただくので大変なことや悩んだりしたことが沢山ありました。こんなにセリフが多いことも初めてなので色々と追いつかないという焦りもあったり。これまで、自分が出ていないところは座って皆さんのアフレコを聴いていたんですが、ずっとマイクの前にいて。こんなに集中力を使うんだと初めて体験して感じました。
ーそれは舞台で主演するのとはまた違うんですか?
集中力的には同じなんだなと思うようになってきました。多分舞台で長時間集中しているものの短縮バージョンみたいな感じです。
ー声優で物語の中心の役を演じることの面白さなどはいかがですか?
自分がというよりも、周りの方をより感じるようになりました。自分のキャラクターはこうだから、こういうふうに表現できたらいいなと思って演じている感覚でした。それを考えることが楽しく面白い部分だったのですが、真ん中の役のときは、周りの人の演技を受けながらという感覚の方が大きく、そこが面白いです。相手が思ったより感情的に来たなと思ったら、それに対して受けの芝居が必要になる。自分が発信する芝居にプラスして受けの芝居がとても重要になるんだなと実感しました。
ーきっと、この5周年コンサートと同じぐらい大事なものになりますね。
そうなんです。とても面白いアニメなので、 ぜひ観てほしいです。
ー作品についてお伝えしておきたいことはありますか?
『戦国妖狐』という作品は、第一部の「世直し姉弟編」というのがあって、第二部が「千魔混沌編」で、全3クールで描かれるんですが、その最初の「世直し姉弟編」に千夜も出ていて、そこからの「千魔混沌編」となっていくので、千夜視点で言うと、ものすごく急成長していくんです。それを観ていただきたいですし、自分とちょっとというか、かなり似てるところが多いと思っています(笑)。自分ひとりじゃなくて、周りの人がいるからこそ、いろいろと気づいて成長できているというのが、すごく似ている部分だなと思うので、そういうところを思いながら観ていただけたら、とても楽しめると思います。ぜひ、『HIROKI NANAMI 5th Anniversary Orchestra Concert “Dearest”』とともによろしくお願いします。
ー最後に、『HIROKI NANAMI 5th Anniversary Orchestra Concert “Dearest”』をライブ配信でご覧いただく皆様に向けてのメッセージをお願いいたします。
ライブ配信には、きっとその場で観るのとは違う楽しみ方があって、自分の部屋でとか、場所はいろいろあると思いますが、周りを気にせず堪能できるのがすごくいいところだと思います。今回の “Dearest”はオーケストラなので、とても音がいいと思います。私自身もその音に負けないように、一緒に乗っかって歌っていきたいと思っています。
5周年という感謝の気持ちを込めて、そして、これからも一緒に歩いていきたいねという気持ちを込めて、お届けしたいと思っています。ぜひライブ配信をお楽しみください。
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『HIROKI NANAMI 5th Anniversary Orchestra Concert “Dearest”』配信詳細
https://im.akimg.tv.rakuten.co.jp/content/80/73/480837/main.jpg https://live.tv.rakuten.co.jp/content/480837/
ライブ配信日時
【7月14日昼の部】
ライブ配信:7月14日(日) 配信開始:13:30 / 開演予定:14:00
見逃し配信:見逃し配信準備完了〜7月21日(日) 23:59
【7月14日昼の部】の視聴チケットはこちら
【7月14日夜の部】
ライブ配信:7月14日(日) 配信開始:17:30 / 開演予定:18:00
見逃し配信:見逃し配信準備完了〜7月21日(日) 23:59
【7月14日夜の部】の視聴チケットはこちら
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