大原櫻子、オーケストラとの共演『Summer Gala Orchestra Concert 2024』の見どころを語る

シンガーソングライター、クラシック・アーティストが、タクティカートオーケストラとの共演を繰り広げる特別なコンサート『Summer Gala Orchestra Concert 2024』が、8月16日（金）に東京・池袋にある東京芸術劇場コンサートホールで開催される。Rakuten TVでライブ配信することが決定。現在発表されている出演アーティストは、大原櫻子、Rihwa、吉野晃一、高松亜衣、堀内優里、稲積陽菜、神宮司悠翔の7名。大原櫻子は自身の代表曲「明日も」をはじめ、新しい楽曲「Hello My Fave」、そして現在上演中のミュージカル『この世界の片隅に』の劇中歌も披露する予定となっている。
今回のインタビューでは、フルオーケストラと臨むガラコンサートについて、そして自身の活動10周年について語ってもらった。
（取材・文：田中隆信）

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―『Summer Gala Orchestra Concert 2024』の開催が迫ってきましたが、フルオーケストラとの共演というのはこれまでにも経験されてますよね。

はい、2022年に行ったコンサート（『billboard classic 大原櫻子 Premium Symphonic Concert 2022』）とか何度かあります。

―普段のコンサート、ライブとは違う雰囲気だと思いますが。

そうですね。独特の雰囲気がありますね。普段のライブだとリズム隊（ベースとドラム）がビートを刻んでくれていて、それに合わせて歌っていたりしますが、オーケストラだとリズムを刻んでくれる曲もありますが、バラードとかはそうじゃないので、指揮者の方を頼りにして歌ってました。難しいんですけど、いつもと違うことにチャレンジできるのは楽しいなって思います。

―これまでに経験したことも踏まえて、オーケストラとのコンサートで気をつけていることは何かありますか？

普段のコンサートでは「ついて来い」精神が強いんですけど（笑）オーケストラとのコンサートはどちらかというと音で酔えるので、そこに寄り添っていく感覚が強いかもしれません。

―いつもだとバンドメンバーを引っ張っていって、お客さんを煽ったりすることもあると思いますが、それとは違う感覚ですか？

はい。たくさんの楽器の音が一度に鳴りますから、それを体全体で感じて、その中に溶け込んでいくような感じです。

―楽曲もオーケストラ用のアレンジになりますし、アーティスト側もオーディエンス側もまた別物として楽しめそうな気がします。

はい。今、上演中のミュージカル『この世界の片隅に』という作品があって、その中の曲も歌わせていただくんですが、オーケストラアレンジで歌うのは初めてなので、私も新鮮です！。

―楽曲の新たな魅力を発見できそうですね。

オーケストラに合う曲を選んでいますので、いつもと違う雰囲気ですけどすごく合ったアレンジだと感じてもらえると思っています。オーケストラと一緒に歌わせていただくと、世界観がブワーッと広がっていく実感があるので、今回もそれが形になった時、感動的なんだろうなぁって、今から私も楽しみです。

―ミュージカル『この世界の片隅で』を観たという方にとっては、今回のオーケストラアレンジが聴けるというのはいい感じに聞き比べることができて楽しそうです。

１曲は、普段ピアノの音が先行して、そこにドラムの音が入ってふくよかな感じで、もう一つの曲はほぼピアノだけの曲なんです。なので、そういった曲がオーケストラのたくさんの楽器で奏でられて壮大になっていくので、これは絶対聴いてもらいたいです。コンサートの開催日が8月16日ということで、終戦の日（8月15日）の翌日ですよね。『この世界の片隅で』が戦時中のお話で、その楽曲をこのコンサートで歌えるというのも意味のあることだなって思ってます。

―終戦の日には、みんなが戦争や平和について考える日でもありますし、近い日に戦争を扱う作品の楽曲を歌ったり、聴いたりすることで、より強く考えたり感じたりするのかもしれません。

はい。どんなふうに受け止めていただけるのかも楽しみです。それと、劇中で私が歌っていない楽曲も歌います。「自由の色」という音月桂さんが歌われている歌で、どちらかというと、私が演じている“すずちゃん”に語りかけている歌なんですね。なのでめちゃくちゃ新鮮だと思います。自分のコンサートでも歌う予定はないので、ここでしか聴けない、本当にスペシャルな1曲ですね。

―他に、公式サイトの予定楽曲には“MUSH&Co.”（映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の劇中バンド）名義でリリースして長く歌い続けている「明日も」も入っていますね。

2022年の時にもこの曲はオーケストラアレンジで歌わせていただきましたが、CDで聴き馴染んでる方が聴いた時に「アップテンポな曲もこうなるんだ」って、別の良さを感じてもらえたので、今回もそんな良さを引き出してもらえるんじゃないかと思っています。

―会場は、オーケストラコンサートにピッタリの東京芸術劇場コンサートホールです。

東京芸術劇場自体は、コンサートホールではなくてお芝居をよく観に行かせていただいているんです。でも、実はコンサートホールは行ったことがなくて。慣れ親しんだ場所ですけど、新鮮な感覚ですね（笑）。

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―このコンサートは8月16日開催ですが、その直後、8月21日にはベストアルバム「大原櫻子オールタイムシングルベスト 2014-2024 Anniversary」のリリースもあります。MASH&Co.での「明日も」のリリースは2013年でしたが、ご自身の名義でのデビューは2014年11月の「サンキュー。」なので、今年が10周年という大きな節目に。

はい。ベストアルバムの取材をいくつか受けていて、「10年ってどうです？」って聞かれることが多いんですけど、あっという間といえばあっという間なんですけど、振り返ってみるとかなり濃密な10年だったなぁって思いました。

―常に前を向いて進んでいるので、こういったベストアルバムのリリースとかでないと振り返るタイミングがないのかなと思いますが。

そうですね。ここに収録されている曲だけでも34曲ありますし、他にもアルバムの曲とかいろいろありますから、楽曲の数だけで考えても10年って濃かったと思います。今回、デビューの頃からお世話になっていた亀田（誠治）さんとも再タッグを組ませていただきましたし、これまでにも楽曲ごとにたくさんのクリエイターの方との繋がりがあって、それぞれの色があるんですよね。なので、色で例えると虹色以上のカラフルさがあります。

―そして9月7日の広島CLUB QUATTROから10周年記念のツアー「ハイッ！10ション！」の開催も決定しています。広島、福岡、大阪、愛知、北海道、宮城、最後は9月29日の東京・Zepp Haneda（TOKYO）と７ヶ所でのツアーになりますが。

今回のツアーでは、バンドメンバー全員新しい方になります。10年の中でいろんな変化がありましたけど、これからも変化とかご縁を大切にしたいと思っています。バンドメンバーが変わると楽曲の表現も変わると思いますので、私自身も新たな魅力をそれぞれの曲の中から見つけたいなと思っています。

―ミュージカルがあって、ガラコンサートがあって、ベスト盤のリリースとそれに伴うツアーがあって。それらが何らか繋がりがあって、いい影響も生まれてきてるのかなって。

そう思います。ミュージカルが広島で千秋楽を迎えるんですけど、ツアーが広島から始まるというので、「ただいま！」って感じもありますし、何かご縁も感じています。

―ガラコンサートの話に戻りますが、今回、1回だけの公演ということで、住んでる場所やスケジュールの都合とかで、観に行きたいけど行けないという人もたくさんいると思います。そんな方も楽しめるようにRakuten TVでの配信が決まりました。配信で楽しもうと思っている方に、見どころ、メッセージをお願いします。

生の迫力ってすごいと思うんですけど、配信の良さとしては、より細かい部分が見えるということも臨場感かなって思うんです。それとご自宅とか、ご自身のリラックスできる場所でじっくりと観られるというのも配信ならではの楽しみ方なので、ぜひぜひ楽しんでください。