インタビュー前編ではコンサートへの思いや、ダンス、歌の表現をどのように極めてきたのかなど、話を聞いた。宝塚からシームレスにつながっていく未来にはどのような世界が広がっているのか、今の思いを語ってもらった。
そして後編では、Rakuten TVで配信している宝塚歌劇団の作品から、おすすめ作品をセレクトしてもらい、それぞれのセレクト理由や思い出を語ってもらった。
(写真・文:岩村美佳)
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―皆さんお持ちかねだと思いますが、始動が早くて驚きました。
そうですね(笑)。早いですよね。
―そこはご自身では、全然早さは…。
早さは今感じています、ふふふ(笑)。
―すぐに動き出したかった理由があるのでしょうか?
お話を頂いたのが、この時期だったんです。やはりコンサートをしていただけるのはすごく特別なことなので、皆様に喜んでいただける舞台をと思っています。
―退団発表の会見の時に「外に出て新しい自分に出会ってみたい」と仰っていましたが、コンサートが始まるにあたって、新しい自分にはもう出会い始めていますか?
新しい自分とは、自分をガラッと変えるという感覚のものではなくて、今までは宝塚の男役としてずっとやってきていたので、それを取り払った芸名の自分に何が生まれてくるのかという思いです。何かを無くして新しく変えたいわけじゃなくて、(宝塚)歌劇で培ったものを大切にしつつ、そこに新しいエッセンスも入ってくるというようなコンサートになるのではと思っています。
―ご自身でやりたいことなど希望を出されて進行しているんですか?
やりたいことはお伝えしています!
―今の段階で伺える内容についてお聞かせください。
宝塚の楽曲を振り返る、宝塚の大切な思い出の歌たちを歌うコーナーもございます。ですが、冒頭から皆様がきっと聴き馴染みがあるんじゃないかなっていうような、体が動きたくなるような、洋楽や、邦楽ももちろんですが、多種多様な楽曲を取り揃えておりますので、「わぁ!こんなの観たかったぁー!」って思っていただけるような、あと「こんなことを柚香さんがするんだ!でも良いね!」って言ってもらえるような場面もお届けできたらいいなとは思っています。
―ご提案されるうえで、テーマにしたことや、キーになることなどはありますか?
ダンスシーンはたくさん入れてほしいというオーダーをしました。あとは、いろいろな要望をお伝えして、それらのバランスをとりながら今作っている段階なので、まだ変わることもあると思いますが、歌もダンスもたくさんありますし、盛りだくさんだとは思います。あとは、意外な組み合わせもあって、「柚香さん、それ歌うんだ」みたいなものがあると思います。
―それは楽しみです!コンサートの構成を考える時に、どういう視点で作っていくんですか?
大きな枠は、演出の小林(香)さんが作ってくださったのですが、そのなかでの楽曲のチョイスは、 すごく相談しました。私の希望を取り入れてくださりながら決めています。
―ビジュアル面も期待していらっしゃると思いますが、メインビジュアルがヴィヴィッドですね。
このポスター意外ですよね。クリスマスカラーですね(笑)。
―確かに!
ヴィヴィッドな場面もあり、情熱的な場面もあり、弾けるようなエネルギッシュな場面もあり、コンテンポラリーみたいな場面もあり、という感じになると思います。
―今回の『TABLEAU』には、星風まどかさんと、華優希さんのお二人が、ゲストでご出演されますね。
楽しみですよね。パフォーマンスもとても楽しみですが、どんなトークができるんだろうと思って。
―トークも楽しみなんですね!
そうですね(笑)。どんな時間を過ごせるのか楽しみです。
―お二人とデュエットはありますか?
はい。デュエットもさせていただきますし、ゲストコーナーが宝塚コーナーになっているので、宝塚の思い出の曲も歌います。
―ダンスと歌の表現について、お伺いしたいのですが、柚香さんにとって、ダンスはきっと言語のように、空気のように踊られる、表現ツールであるのかなと思います。Rakuten TVで配信している作品の中からどんな作品を選んでくださるのだろうと思いながら、下級生時代の作品などを拝見したんです。
ご覧になったんですか?
―『ノクターン -遠い夏の日の記憶-』などを拝見してきました。
うわぁ~~~~!ありがとうございます(照)。
―とんでもございません。『ノクターン』は研6ですよね。改めて拝見して、6年目でこれほどのダンス表現をされていたんだなと衝撃受けました。特に退団する間際のダンスは観た人誰もが虜になったと思いますが、どういう過程を経て、さらにそこから先に繋がっていくのか、ご自身がどう考えてらっしゃるのか、お聞かせ頂けますか?
いろんな出会いを頂いて、そこから教えていただいたことが積み重なってという感じがします。それは、曲もそうですし、お人もそうですし、お客様が作ってくださる空気でもそうです。あとは、こうかな、と思ってお届けしたことに対して返ってくるリアクションもそうですし、本当にいろんな出会いからの教えや刺激から学ばせていただいている、という感じがしますね。
―その出会いは、振付を受ける時などですか?
そうですね。やはり振付、生み出すお仕事どれでもそうだと思いますが、振付の先生のお人柄を感じる瞬間が、振付からもたくさんあります。そこにプラスしてお言葉を頂いたり、あとはお稽古、レッスンを重ねる上で、先生がどのように導いてくださるかとか、いろんなことから感じます。そういった学びとか刺激から、この方のこういう物事の捉え方や優しさがこの振りになっているんだ、この音をキャッチしてこういう風な振りになっているんだ、というインスピレーションがあったりします。その振りの解釈がストンと落ちたりすると、(踊りが)全く別物になってきたりするんですね。そういう出会いの積み重ねはとても大きかったなと思います。
この方は、この曲のどの音を聴いてこの振付をつけたんだろうとか、客席から舞台を観た時に、どういう色とか空気感をイメージされているんだろうとか。景色や舞台は常に作り物ではありますが、暑いのか寒いのかとか、そういうものがふわっと湧いてきたりすることがあって、そういうことに出会いながら一つ一つのナンバーに向き合ってきました。
―日常生活からそういうエッセンスを得ることもありますか?
ありますね。あとは、舞台芸術は全部やはり計算されているもので、音と振付と衣裳と照明との融合でその場面が生まれる、そういうものたちからヒントを頂きたいと思う気持ちが年々強くなっています。
―そうすると、まさに新しい人たちと作るとなると、そのエッセンスの量がものすごいことになりますよね。
そうです。とても、あの、ドキドキ、緊張……大変だぞって……。ひとつでもできるだけ取りこぼしたくないので、すごく緊張もしますが、その反面楽しみでもあるという感じです。
―そうなんですね。退団を発表された後の東京公演ゲネで、『GRAND MIRAGE!』で踊っている柚香さんを撮りながら、寂しさはありつつも、もっといろんな人と作る柚香さんを撮ってみたいな、未来を見てみたいなと思ったんです。
本当ですか? わぁ、嬉しいです。
―宝塚を終えて、未来にどういう風に繋がっていますか?
宝塚歌劇に在籍している間に頂いたものって、やはり自分の宝物なので、その宝物をじゃあまた柚香光がどう大事にして、自分の一部になっているそのものをどういう風に自覚して、それをなおかつ、個性なのか、次のお仕事に繋がるような柔軟性のある自分のアピールポイントとして使っていくのか、というのがあります、自分のなかで。青春の全部を捧げてきて、無我夢中でやってきていますので、やはりそこで頂いた時間やもの、お客様との繋がりやお気持ちは、私の人生の宝物なので、そういう時間に感謝しながら、じゃあどうしていこうかな、 何ができるかな、何がしたいのかなという感じです。
―今はわくわくしてらっしゃる感じですか?そわそわ?
わくわくには、ちょっとまだ余裕はないですね(笑)。本当にまだ一歩も踏み出していない状態なので、いっぱい迷ったり、失敗したりはもちろんあると思いますが、それを必ず次に繋げていけるようにしたいなと思いますし、宝塚を応援してくださっていた皆様も、初めて出会ってくださる皆様も、「良い仕事してるね!」って言っていただけるような、そんな歩み方ができたら。「面白い仕事するね」「一緒に仕事したい」とか、「この人、次何するかも楽しみだね」って皆さんに言っていただけるような人になりたいです。
―きっともう皆さんそんなお気持ちかと思います。歌についても伺わせてください。コンサートでもたくさん歌われると思います。退団公演中も表現力がさらに深まっていくと感じていました。ご自身では歌という表現方法についてはどう考えていますか?
最初は、本当に恥ずかしながら、人前で声を発することにすごく抵抗があった人間でした。
―それは歌に限らず話すこともですか?
人前に出るのが苦手だったんです。じゃあ、なぜこの仕事をしているのという話なのですが。注目を浴びるとか、人前に出て自分が発表するとかが、すごく苦手だったので、すごく遠回りをしたなと。でも遠回りしたからこそ、いろんな時間がありました。そういった過程もやはり私の人生で、私が得たものは必ずあるので。これからも、どんどんどんどん変化はしていきたいと思っています。まだ全然途中ですし、歌が好きなので、どんどんどんどん研究して勉強して追求していきたいと思っています。
―ご自身の表現方法としては、歌とダンスは何か違いますか?
(少し考えて)もちろん違うのですが、共通することもすごく多いなとは思います。どちらもリズム感がすごく大事です。そして、どちらもやはり筋肉を動かして表現します。あとは、音楽を聴く力、理解する力、分析する力でも同じ。ただ、踊りのほうが、筋肉の使い方が、何ていうんでしょうね……大きい?歌のほうがもっと細やか。声帯が小さいので。声帯だけで歌うわけじゃないので、身体中のいろいろな筋肉をもちろん使うのですが、同じ「お腹に力を入れる」といった時の、お腹の力の入れ方がやはり、同じ言葉であっても、使う時の神経の送り方が違うところが面白いなと思ったりします。
―表現方法の違いを理論的に分析されているんですね!何となく、感覚的なお答えが返ってくるのかなと思ったら、すごく理論的だったので。
感覚…、感覚…。感覚は大切ですが、やはり計算と知識と鍛錬は必要だと思います。型がないことには、やはりセンサーは研ぎ澄まされない。どっちも必要ですね。無感覚人間だと、やはり人の心に届かないものになってしまいますし、機械と同じになってしまうので、それは絶対大事なのですが、やはりその人の生き方とか、感じていることとか、言葉をどう捉えるかを表現し、それがなおかつ人の心に届くためには、それ相応の表現の正規のルートを知っていなければ届かないですし、あとやはりそういうことを緻密に重ねた人じゃなければ、そういう深みのある、その人の言っていること、その人の考えていることが知りたいと思うような人にはなれないと思うので、感覚もすごく大事ですが、その感覚をストレートに有効的にお客様に届けるためには、技術が大切だと思います。
―特に柚香さんのショーを観たり撮ったりする時は、本当に「芸術だな」と思っておりました。
あーりーがーとーうー…(パチンと手を合わせる)。
―本当にもう今の手が可愛くてしょうがないのですが(現場全員笑)。一方的に、観て撮っているだけでも、勝手にセッションしている気持ちになるというか。
そう!セッションはすごく好きです!
―ショーの中詰などでの銀橋で、全員のカメラに目線をくださいましたよね。
だって、反応してくださるから(笑)!
―カメラ越しに目が合った記憶があります(笑)。
はい。反応してくださるのもわかるので、それはすごく楽しいですし、基本的にセッションが好きです。決まっているものじゃなくて、予定調和じゃなくて、しっかりとした土台があった上でのセッションがすごく好きですね。
―またいつかセッションできることを楽しみにしております。お客様にお伝えしておきたいことはありますか?
お客様に会えるのが楽しみです。そのために、今、お力を頂きながら作っていますので、楽しみにしていてください。
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「柚香 光 1st Solo Concert『TABLEAU(タブロー)』」配信詳細
https://im.akimg.tv.rakuten.co.jp/content/65/70/485607/main.jpg https://live.tv.rakuten.co.jp/content/485607/
ライブ配信日時
9月28日(土) 配信開始:16:30 / 開演予定:17:00
9月29日(日) 配信開始:12:30 / 開演予定:13:00
視聴チケット販売期間
9月7日(土)10:00〜各回開演30分後まで
視聴チケット販売価格
視聴チケット:各4,500円(税込)
視聴チケット(公演プログラム郵送サービス付き):各7,000円(税込)※送料別途必要
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ヘアメイク=CHIHIRO(TRON)
スタイリスト=後藤仁子
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Rakuten TVで視聴する
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