1. TOP
  2. インタビュー
  3. 安田顕×水上恒司インタビュー:『連続ドラマW 怪物』で人間の“狂気”に迫る
  1. URLをコピー
  2. Xでシェア
  3. Facebookでシェア
  4. LINEでシェア

安田顕×水上恒司インタビュー:『連続ドラマW 怪物』で人間の“狂気”に迫る

安田顕×水上恒司インタビュー:『連続ドラマW 怪物』で人間の“狂気”に迫る

ーー安田さんにとって映像と音楽は密接な結びつきがあると。

安田:そうですね。あと僕らの子どもの頃はビデオじゃなくて「実況盤」(※オリジナルサウンドトラックに加え、キャラクターのセリフなど本編の音声が収録されたもの)という、映画の音声や効果音が収録されたLPレコードがあったんですよ。

水上:え!? そうなんですか?

安田:この間、お客さんがいないときによく行くバーに『カリオストロの城』のLPがあって、それを聴いていたら、全部のシーンとセリフがすぐ頭に浮かんでくるんですよ。(銭形警部の声真似をしながら)「奴はとんでもないものを盗んでゆきました。あなたの心です」とか。

ーー超有名なラストシーンのセリフですね。

安田:(すべて声真似しながら)「無益な殺生はせん」(五右衛門)、「撃ちます」(ジョドー)、「なんて気持ちのいい連中だろう」(庭師)、「あー、ルパンを追っていてとんでもないものを見つけてしまったー。どうしよう」(銭形)。全部浮かぶ。画(え)も浮かぶ。

水上:すげえ…(感嘆のまなざし)。

安田:そのとき、お客さんがもう1人いらっしゃって、僕と同じぐらいで50代の方でしたけど、ポンと音が聞こえただけで、スッと互いに見合って、そのあとのセリフを同時に言った。そんなことが起こる作品を原体験として持っていることがすごい嬉しいですね。

ーーそのほかにはいかがでしょう?

安田:『七人の侍』。うち(北海道)は田舎だったから、単館上映のロードショー作品とか全然来なかったもんだからさ(笑)。

水上:『七人の侍』ってなんであんなに面白いんですか。僕、この間、初めて観たんですよ。

安田:うんうん。

水上:アクションシーンで馬をああいう風に扱ったり、役者があれだけ馬に乗れたりするっていうこともすごいですし。三船敏郎さん(菊千代役)が手にする竹光も、めちゃめちゃ軽そうに見えるし、今ああいう芝居をしていたら「もっと重そうに持て」とか言われそうじゃないですか。

安田:そうだね。

水上:僕、三船さんがああいうキャラクターを演じられると思ってなかったんですよ。もっと寡黙でめちゃめちゃかっこいい、もうそれこそ(ルパンの)五右衛門のような役だと思ってたんですけど、ところがどっこい、こういう男なのかって。

安田:そうなんだよね。(おもむろに)♪チャンチャンチャチャ〜ンチャチャン チャンチャカチャ〜ン、って、曲もすぐでてくる(笑)。

水上:あと、志村喬さん(勘兵衛役)。あの方もすごいですよね。僕、『七人の侍』を見て『生きる』も観ました。

安田:僕が聞いた噂では、全編引きで本物の戦をやらして、矢が刺さったままでも撮影を続けたっていう。本当なのかどうなのかわからないけど。あと、雨が墨汁だったとかね。さっきは熱量の話をしたけど、作り手、クリエイターにとって一番必要なものってのは、やっぱり“思想”だと思うんだ。

水上:はい。

安田:三船さん演じる菊千代は本当は侍ではなく、百姓の出なんだよね。刀を持って武士のフリをしている。で、勘兵衛たち本物の侍の前で、百姓あがりの自分の中のトラウマとか曖昧さをさらけ出して必死になって「百姓ってのはな! ケチンボでずるくて泣き虫で、意地悪で、間抜けで、人殺しだ! だがな、そんなケダモノつくりやがったのはいったい誰だ! おめえたちだよ!」と叫ぶ。あそこはもう素晴らしい名シーンですよ。
 
そしてすべての戦いが終わったときに、志村喬さんが言う「勝ったのはあの百姓たちだ。わしたちではない」というあのセリフ。思想の見事さ、脚本の作り方、あれがやっぱり、うん、「作品」ですよ。全部喋っちゃったな。ごめん(笑)。

ーーでは、水上さんのオススメするエンタメ作品は何でしょうか?

水上:高校のとき、卒業間際でもう授業も特にないっていうある日、じゃあ映画見よっかって理系の先生が言ってくれて、授業中に映画を観たことがあって。僕らは授業サボれるから喜んだんですけど、そこで見たのがクリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』でした。

それで僕、クリストファー・ノーランが好きになったんですけど、僕個人的に『オッペンハイマー』より『インターステラー』の方が人間の“ノイズ”みたいなものを感じられるんですよ。

安田:うん。

水上:『オッペンハイマー』も確かに見事だったんですが、僕は人間の“ノイズ”のようなものを『オッペンハイマー』からはあまり感じられなかった。あくまで僕は、ですけど。僕も芝居でセリフがうまく言えないときがあったりしますけど、思いがしっかり込められていれば、何かしらの不完全さがあったとしても、僕はそういったものを感じたいし、楽しみたいし、受け入れたい。その意味で『インターステラー』のほうが好きですね。

Rakuten PLAYでお得にWOWOWを契約

作品情報

連続ドラマW 怪物

<strong>連続ドラマW 怪物</strong>

■あらすじ

羽多野町に住む⼥⼦⼤⽣の富樫琴⾳(⽷瀬七葉)が、⾃宅の庭に指の第1関節だけ残して失踪するという事件が発⽣。その事件は未解決のまま25年が過ぎる。琴⾳の双⼦の兄である富樫浩之(安⽥顕)は警察官になり、羽多野署⽣活安全課に勤務している。そこにキャリア警察官の⼋代真人(⽔上恒司)が異動してくる。気の合わない2人だが、課⻑の森平(光⽯研)の命令でペアを組むことに。そしてパトロール中に通報を受け認知症の⽼人の捜索へ⾏くのだが…。

■キャスト・スタッフ

出演:安⽥顕 ⽔上恒司
剛⼒彩芽 藤森慎吾 真飛聖 早⼄⼥太⼀ 久保史緒⾥(乃木坂46)
小⼿伸也 橋本じゅん 光⽯研 高畑淳⼦/ 渡部篤郎ほか

原作:「怪物」(制作・著作:SLL JOONGANG Co.,Ltd 脚本:キム・スジン作家)
脚本:前川洋⼀
⾳楽:⼤間々昂 斎木達彦
監督:鈴木浩介 池澤⾠也
企画・プロデュース:松本太⼀
プロデューサー:⻘木泰憲 元信克則 河添太
制作プロダクション:ユニオン映画
制作協⼒:Orange
製作著作:WOWOW

■配信情報

7月6日(日)より、WOWOWにて放送&配信スタート〔第1話・第2話 無料放送〕
毎週日曜 22:00〜放送・配信(全10話)

Rakuten PLAYでお得にWOWOWを契約



【安田顕】
ヘアメイク:西岡達也(ラインヴァント)
スタイリスト:村留利弘(Yolken)

【水上恒司】
ヘアメイク:Rina Kajiwara
スタイリスト:カワサキ タカフミ

Rakuten TVで視聴する

423707,147245,140752

ポスト
シェア
送る
Rakuten TV 声優チャンネル
宝塚歌劇LIVE配信一覧
BL特集
  • 年月別アーカイブ
楽天モバイル照会キャンペーン