RECCOMENDイチオシ
SERVICE関連サービス
167362
第1作『ミッション:インポッシブル』が公開された1996年、トム・クルーズは34歳。CIA本部に潜入するシーンでワイヤーに吊られ、床すれすれで静止するという緊張感あふれる場面を、スタントマンを使わずに自ら演じた。この「宙吊りシーン」は、シリーズの象徴とも言える伝説的名シーンに。派手な爆破や銃撃戦ではなく、身体ひとつで極限状況を描く――。ここにシリーズの伝説が始まった。
167363
2000年公開の『ミッション:インポッシブル2 M:I-2』では、ジョン・ウー監督のスタイリッシュな演出で、アクションもスケールアップ。冒頭の断崖絶壁を素手で登るシーンは、トム・クルーズ本人が命綱をつけずに挑んだ。高さ約600メートル、失敗すれば即死という状況で笑顔を浮かべる姿は、すでに“常軌を逸した”チャレンジ精神の表れだった。さらにバイクチェイスでは、スローモーションや銃撃を組み合わせた華麗なアクションを展開。肉体とマシンを駆使するトム・クルーズの二刀流スタントは、アクション映画の新たな基準を打ち立てた。
167364
2006年の『ミッション:インポッシブル3 M:i:III』では、当時新鋭だった『アルマゲドン』のJ.J.エイブラムスが監督に器用された。第一線から退いて、諜報機関IMFの教官になったイーサン・ハントが、教え子のピンチをきっかけに、現役復帰。本作ではチームワークを軸とした物語性と人間ドラマが強化されたが、高速道路での激しいカーチェイスや、爆風に吹き飛ばされるシーン、さらには、上海の高層ビルを飛び移り、斜面を滑落していくシーンなどの超絶アクションも健在。6年ぶりのイーサン・ハント復活に、世界が沸いた。
167365
2011年の第4作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』は、シリーズが再評価されるきっかけとなった作品だ。『3 M:i:III』でも高層ビルでのアクションを行ったが、今回は高さ828メートル、ドバイにそびえる世界一の超高層ビル“ブルジュ・ハリファ”の外壁を、トム・クルーズがワイヤー1本で駆け上がった。IMAXカメラが捉えた映像は圧倒的な臨場感を放ち、世界中の観客を震撼させた。
166189
2015年公開の『ローグ・ネイション』では、滑走路を加速する軍用輸送機のドアにしがみついてアクションを行うトム・クルーズが話題に。これもCGではなく、本人がスタントマンなしで行ったというから驚きだ。ほかにも本作ではバイクや車でのチェイスや銃撃戦など、アクション映画の原点に立ち返る演出が際立った。
278624
2018年の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』でトム・クルーズは、自らヘリコプターを操縦しての空中アクションに挑戦。数ヶ月にわたり操縦訓練を受け、狭い峡谷の中を急旋回するシーンを撮影した。『フォールアウト』というタイトルが示すように、本作の見どころは落下するアクションだ。成層圏からのダイブ、600メートルの断崖、そしてビルからビルへ大ジャンプでは骨折しながらも撮影を続行。プロ根性を見せつけた。
458852
2023年の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』では、トム・クルーズが“これまでで最も危険”と語るスタントに挑んだ。そのひとつが、断崖絶壁からバイクでジャンプし、パラシュートで着地するシーン。数百回に及ぶバイクジャンプと空中降下の訓練を経て実現した超人的なシーンだ。さらに列車の屋根上で繰り広げられる死闘は、シリーズ初期のスピリットを継承しつつも、技術と迫力を極限まで高めた見せ場となっている。
https://im.akimg.tv.rakuten.co.jp/content/84/64/514846/main.jpg
そして2025年の最新作『ミッション インポッシブル/ファイナル・レコニング』でも複葉機での空中バトルシーンを筆頭に、燃えるパラシュートでの落下、潜水艦での水中シーンと、アクション満載。監督のクリストファー・マッカリーは、『トップガン マーヴェリック』にも共同脚本として参加している、トム・クルーズの相棒ともいえる存在だ。『ファイナル・レコニング』=最後の試練というタイトルだが、作中にはシリーズ1作目から続く因縁や、3作目で登場した“ラビットフット”の謎が解かれたり、大事な仲間を失ったり、「ファイナル」がシリーズ最後を意味しているのでは……という憶測もある。
「ミッション:インポッシブル」シリーズは、トム・クルーズが俳優人生を懸けて挑む壮大なる限界突破の歴史だ。何者にも頼らないリアルな肉体表現によって、彼のアクションは単なるスリルではなく「人間はここまでできるのか」という人間の可能性を証明し、観客はその挑戦に共鳴する。最新作『ファイナル・レコニング』は、その系譜の到達点であり、同時に新たな伝説の始まりでもあるといえるだろう。
(文・坂本ゆかり)
https://news.tv.rakuten.co.jp/2023/11/k-mi.html 『ミッション:インポッシブル』シリーズに見る、主人公“イーサン・ハント”の成長と変化、そして多くの人を引きつける魅力に迫る https://news.tv.rakuten.co.jp/2022/09/top-gun-maverick.html 『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズの“本気”を感じる36年越しの待望の続編
514846,167362,167363