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――そのトート像について、具体的に伺ってもよろしいですか?
うまくお伝えできるかわかりませんが、私が今まで客観的に、勝手にイメージしていたトート像から受ける印象は、黄泉の帝王で、とにかく自分に自信があって、おどろおどろしい、そういう力強さとか、ねっとりした感じとか、恐怖感とか、そういうのを彷彿させるイメージでした。とにかく俺様っぽいというか。
言い方が正しいかわかりませんが、「愛と死の輪舞」がテーマになっていて、小池先生にも「トートとエリザベートとフランツの三角関係の愛の物語にちゃんと見えたいから、そこをしっかり作りたいんだ」と2018年の時に言われたんですね。確かに恋愛のドラマですが、トートの恋愛感情よりも、かっこいいとか、力強いみたいな印象のほうがどうしても強かったので、どうやったら愛の物語に見えるんだろうと、「愛と死の輪舞」というテーマを紐解いていったんです。
最終的に自分なりに解釈したのは、トートはエリザベートに、ずっと「生きたお前に愛されたい」と言っていて、生きているエリザベートに愛されるということは、エリザベートが自分を受け入れるということは、もうエリザベートは死ぬわけです。ということは、彼が望む、生きているエリザベートに愛されることは、自分が死という存在である以上、不可能なんですよ。なので、トートは最終的に自分が死という存在であることにコンプレックスを抱いていくんだなというところにたどり着いて。
霊廟のシーンの後の「愛と死の輪舞」のリプライズで、ちょっとその感情をより滲ませるように表現する、というふうに持っていきました。トートの、自分が死という存在であることに対する苦悩を、リプライズで表現しようと思って、当時演じていて、そこに行き着いた感じですね。

――その苦悩を持ったまま、最終的には、エリザベートの死を授ける形になるわけですね。
だから、結局はトートは満足はしていないんですよ。複雑な表情で終わるのは、彼女が自分のところに来てくれて嬉しいですが、やはり自分の望んでいた、求めていた展開ではないので、切ない気持ちもどこかに残っていて。最後の昇天していくところは、ひとつの感情ではないんですよね。
彼女を自由にしてあげる、彼女が長いこの旅を経てたどり着いた果てなので、そこで自分を選んでくれた、自分のところにたどり着いたということではありますが、トートにとっては、いろいろな心情が一番入り交じっています。当時、私の昇天のシーンは、「珠城さんのトートはどういう感情なんだろう」って、結構言われていて、でもそれを説明したことは1回もないと思います。
――説明したら面白くないですよね。
当時はそういう気持ちでしたから、満たされた、やっとエリザベートが手に入ったぜ!とは、私のトートは思っていなくて。

――東宝版の演出ですと、振り返ったトートの表情がまたそれぞれなんですが、宝塚だけを観ていたら、もしかしたらハッピーエンドと捉えられなくもないかもしれませんね。
そう思いがちですよね。でも、トートを演じていらっしゃる皆さんの解釈というか、それぞれの考え方があると思うので、本当にそれは人それぞれだと思います。
――珠城さんは、そのベースは変わらずにという感じでしょうか。組む相手が変わりますがいかがですか?
やはりそのあたりは、エリザベートとの駆け引きとかもあると思いますし、どれぐらいの強さで相手が出てくるかによって、多分トートは結構変わってくると思いますね。どちらかというと、『エリザベート』に関しては、トートは受けだと思っているので。
【アニヴァーサリー’18月組ver.】3月14日(土)17:00公演
530202,530207