『2位の反撃』も全話配信が終了して、みんなWBLロスになっているんじゃないかしら。メインの得意CP(中国語での「得と徳」、「意と逸」の発音が同じだから、德逸CPは口に出して読むと「得意CP」に聞こえるわけ)に加えて、守真CPに心を奪われてしまった人たちも多いはず。字幕を担当させてもらった番外編も配信されたけど、この二人の物語、あたしはもっと見たいって気にさせられたわ。今回は振り返りということで守真CPのシーンからお勉強よ! ※CP=カップリング
『We Best Love 永遠の1位』の作品紹介記事はこちら
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「余計なことをしなければよかった」「彼だったら面倒じゃないんでしょ?」
第三話、川沿いのショウイーの店でジェンシュエンがお客とトラブルを起こす。ビール瓶の割り方、あれは初めてじゃないわね、この子。なかなかやるわ(いくら好きでもマネしちゃだめよ!)。そしてケガを負ったジェンシュエンをショウイーが手当てするシーン。今から振り返ると、まるでジェンシュエンが高校生だったあのころを思い出させるシーンよね。「出会ったあの頃、余計なことをしなければよかった」というショウイーの発言と、それに返すジェンシュエンの発言をピックアップ!
作品紹介
We Best Love 2位の反撃
シードーの会社華聲は誠逸グループと合併することに。そこへ誠逸の担当者として副社長のシューイー、法務のビンウェイと秘書のジャーユーが現れる。
シードーの会社華聲は誠逸グループと合併することに。そこへ誠逸の担当者として副社長のシューイー、法務のビンウェイと秘書のジャーユーが現れる。いきなりシードーのほほを殴るシューイー。商談現場は静まり異様な雰囲気に…。一方、シューイーの感情的な態度から、華聲の技術長のジェンシュエンは、シードーとシューイーに何か確執があると見抜く。温和そうにみえるジェンシュエンだが、ある日店を閉まろうとするショウイーをみかけ、子供のように走っていく…。シードーを故意に困らせる態度を取り続けるシューイー。5年の間に2人に何があっただろうか。そして、ジェンシュエンとショウイーの関係とは?!
出演:リン・ズーホン(ツーホン/SpeXial)、ユー(YU)、エヴァン・ルオ、リー・チー、レイ・チャン(ブライアン・チャン/張睿家)、シー・チーティエン
監督:ジャン・ルイジー
脚本:リン・ペイユー
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ショウイー「出会ったあのとき、余計なことに関わらなければよかった」
“如果那時候遇見你……” 訳:もし、あの時お前に出会って……
“如(ㄖㄨˊ|rú)果(ㄍㄨㄛˇ|guǒ)那(ㄋㄚˋ|n)時(ㄕˊ|sh)候(ㄏㄡˋ|hu)遇(ㄩˋ|yù)見(ㄐㄧㄢˋ|jin)你(ㄋㄧˇ|nǐ)、“如果”は「もし」で仮定を表す。“那”は中国語の教科書レッスン2くらいで出て来るかな、「あの」、“時候”「とき」。そして“遇見”は「出会う」なんだけど、「出会う」の言い方は他にも“碰見”というのもあって、「偶然出会う」ような場合にはどちらも使える。でも、よ。この“遇見”は「その出会いが人生を変えるような出会い」っていう雰囲気を持っているの。“遇見你真好”(「君に出会えてよかった」)なんて使ったりするんだけど、ここで“碰見”を使っちゃったらもう台無しになっちゃうわけ。「偶然出会えてよかった、ちょっと一杯付き合ってよ」なんて文脈になっちゃったりね。ショウイーの“遇見”は文脈としても使われ方としてもごくありふれていて普通なのだけれど、あたしには「出会って人生が変わった」って意味がこっそり含まれているんじゃないかしらと思える。考え過ぎかしら……。
“如果是他,你就不會覺得麻煩,對不對?” 訳:彼だったら面倒じゃないんでしょ?
“如(ㄖㄨˊ|rú)果(ㄍㄨㄛˇ|guǒ)是(ㄕˋ|sh)他(ㄊㄚ|tā),你(ㄋㄧˇ|nǐ)就(ㄐㄧㄡˋ|jiù)不(ㄅㄨˊ|bù)會(ㄏㄨㄟˋ|hu)覺(ㄐㄩㄝˊ|ju)得(˙ㄉㄜ|de)麻(ㄇㄚˊ|m)煩(ㄈㄢˊ|fn),對(ㄉㄨㄟˋ|du)不(ㄅㄨˊ|bù)對(ㄉㄨㄟˋ|du)?”
前半は「もしも彼(シードー)だったら」よね。ここで使われている“就”なんだけど、基本的には「前後が順接でつながる」という接続詞として働いて、そこから強調の意味が生まれていると理解するといいと思うわ。“就”はなかなか使いこなすに至るまでは難しい、感覚的な理解も必要なものね。“不會~”は「~でない、“覺得”は「思う、感じる」、“麻煩”は「面倒、煩わしい」で、それぞれよく出てくる基本単語だわ。“對不對?”ってこれは直訳すると「正しいか、正しくないか? /合っているか、合っていないか?」ということで、「そうでしょ?」という感じ。「もし彼だったなら、あなたは面倒だとは感じない。そうでしょ?」、だから「彼だったら面倒じゃないんでしょ?」
最後に
繰り返しみて気づくこと
この守真CP、本編だとなんだか煮え切らない二人に「んもう!」って思わされたりしたんだけど、字幕を担当させてもらった特別編を見るとショウイーは高校の校医時代には優しく勉強教えてあげてたし、好きなカップ麺の味もきちんと把握してるし、ジェンシュエンもはじめ拒んでいたショウイーを(よく考えるとジェンシュエンのほうから頼んだわけじゃないもんね)だんだんと受け入れていくといった過去の様子が描かれていた。あの過去の二人が頭にあってから本編の守真Cpをみると、「んもう!」と思っていたものは絶叫に変わるわよ。今日取り上げたこのシーン、最後にキスするのよね。その時に誰が誰に手を回すのか、もう一度よく見てみて欲しい。
執筆者情報
歐陽(オウヤン)ママ
早稲田大学大学院修了。論文のテーマは台湾の文化。
2012年から2013年にかけて台湾で生活、日本語の先生などしてふらふらする。
新宿二丁目では新型コロナの影響もありあたふた。今は新しいお店をオープンしようと画策中。