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【後編】愛加あゆさんインタビュー:ミュージカル『ピピン』出演

【後編】愛加あゆさんインタビュー:ミュージカル『ピピン』出演
日本初演から3年の時を経て、ミュージカル『ピピン』が帰ってくる。主人公ピピンの自分探しの物語で、ミュージカル、ダンス、サーカスの魅力が詰まった圧巻の舞台だ。愛加あゆは、その初演の舞台を客席で観て、思わず声が漏れるほどの感銘を受けたという。その想いが引き寄せたのか、再演ではキャサリン役で出演することに。インタビュー前半では観劇したときの感動と、見どころ、出演に向けた今の想いなどを聞いた。
そして後編では、Rakuten TVで配信している宝塚歌劇団の作品から、おすすめ作品をセレクトしてもらい、それぞれのおすすめポイントや思い出を語ってもらった。
(文:岩村美佳)

https://news.tv.rakuten.co.jp/2022/08/manakaayu01.html 【前編】愛加あゆさんインタビュー:ミュージカル『ピピン』出演 https://news.tv.rakuten.co.jp/2021/09/210908yumesaki.html 夢咲ねねさん独占インタビュー!ミュージカル『October Sky-遠い空の向こうに-』出演


愛加さんのおすすめ作品はこれだ!

カラマーゾフの兄弟(08年雪組・ドラマシティ)
CONGRATULATIONS 宝塚!!(’14年雪組・東京・千秋楽)


――RakutenTVで配信している宝塚歌劇団の作品から、おすすめ2作品をセレクトしていただきました。今回選んでくださる時に、どんなバランスで選ぼうとか考えられましたか?

やはりファン意識でしょうか(笑)。自分が出演した作品を1個入れておこうかなと思い、あとは自分の好きな作品を1個入れました。


カラマーゾフの兄弟(08年雪組・ドラマシティ)

60737 (c) 宝塚歌劇団

――『カラマーゾフの兄弟』(08年雪組・ドラマシティ)は、ご出演されているとはいえ好きな作品のほうなのですね。

出演していたことを忘れていましたから(笑)。選ぶのは悩みましたね。姉(夢咲ねね)が『エリザベート』を選んでいましたが、重なってしまいますよね。やはり初めて観た『エリザベート』は雪組さんだったので。

――おふたりで一緒にご覧になっているんですか?

はい。私たちは、常に観ている作品は同時進行です。姉が修学旅行に行って帰ってきて、そこからビデオを借りまくって。当時宝塚ファンの学校の先生がいたのでビデオを借りて、TSUTAYAに行ってビデオを借りて、それを観てという。今みたいな便利な時代じゃありませんでしたので、借りまくっていました。いろんなTSUTAYAを回って、この店舗にはこれが!みたいな(笑)。ずっと一緒に観ていました。

――おふたりのセレクト作品を辿ると、その歴史も見えてくるような。

そうなんですよ。

――なるほど。そのなかで、次に選んでくださったのが『カラマーゾフの兄弟』。

私、『カラマーゾフの兄弟』がすごく好きで…。

――すごく新鮮な作品の印象があります。

新鮮でしたね。ロシアのドストエフスキーの小説をぎゅっと1本にしている作品です。水(夏希)さんのトップ時代でしたが、再演しようと思ってもできないのかな? あの濃い感じが特徴的で、私はすごく好きな作品です。まず水さんがトップさん、その兄弟役で、彩吹真央さん、彩那音さん、沙央くらまさんがいらっしゃって、お父さんが未来優希さんなんです。未来優希さんが、ガハガハとしていて、水さんの恋人を取り合うんですよね。その恋人が白羽ゆりさんで、悪女風なんです。白羽さんがかっこよくて、曲もとても好きでした。私は、まだそんなに大きな役を頂いていなかった頃に、ドラマシティと赤坂ACTシアターの公演で、リーズという車椅子の女の子の役を頂きました。原作小説自体が面白いので、そこをどう描くか、そして、最後の犯人はこいつだったのかー!となった瞬間の面白さとか、すごく好きでした。

――物語としても面白いし、宝塚としての新しさも見どころでしょうか。

そうですね。あと、当時の雪組の上級生の方々がパワフルで、印象にとても残っています。

――リーズを演じた時の思い出はありますか?

相手役さんが沙央くらまさんで、よくその後も何回か相手役をさせていただいたのですが、多分ちゃんとご一緒するのが初めてでした。私はまだ下級生でしたが、沙央さんが、稽古中から、「稽古しよう」って声をかけてくださって、ふたりでワークショップ的なことをずっとやっていましたね。台詞を作らず、ふたりで役になって、これから廊下でやろうとか。新人公演では役を頂いていましたが、大きい役を頂く経験が、ぼちぼち始まったぐらいだったので、お芝居を教えていただけるのはすごくありがたい環境だなと、当時思っていました。
あとは、車椅子に乗ったのが初めてだったので、稽古場に用意していただきました。車椅子で夜中にひとりで自主稽古をしている時に、教室だけじゃなくて廊下にも行ったりしてみたのですが、やはりドアの所になるとすごく大変で。車椅子の方もたくさんお見掛けしますが、身に染みてすごく大変なんだなと思った記憶がありますね。小回りもコツが必要だったり、大変でした。

――あの物語のなかで、ちょっと癒しの役ですよね。みんなが争っているなかで。

そうなんですよ(笑)。みんなが争ってドロドロしているのに、ひとり清かった。パステルピンクのお衣裳を着たりして。

――宝塚王道的な作品ではないですよね。

そうかもしれないですね。キラキラ、ふわふわなどよりも、その方が私はふっとお話に入り込むのかもしれないですね。


CONGRATULATIONS 宝塚!!(’14年雪組・東京・千秋楽)

153277 (c) 宝塚歌劇団

――そして、選んでくださったショー作品は『CONGRATULATIONS 宝塚!!』(’14年雪組・東京・千秋楽)です。

これは私が出演していた作品です。私、宝塚のショーがすごく好きなんです。お芝居も観に行っていますが、このワクワクは他にないじゃないですか。

――そうですよね。

時々はショー作品もありますが、あのレビューのショーみたいな独特のものはやはり宝塚しかないので。そのなかでも、『CONGRATULATIONS 宝塚!!』は、すごく好きな作品です。私はデュエットダンスがすごく好きなんですよ。観に行っても好きです。壮(一帆)さんとも、この作品中にデュエットダンスが何回もあって、そのナンバーもすごく好きでした。
それと、すごく個人的な感情の問題ですが、この作品の前には退団をもう決めていたんです。でもまだ発表はされていない状況でした。『Shall we ダンス?』との2本立てでしたが、最後にデュエットダンスしている時の、東京千秋楽の時の感情を、すごく今でも覚えています。次の日に退団発表だったんです。でも、私と壮さんしか知らなくて、組子はみんな知らない。これで明日はもう退団の発表が出るけど今はふたりだけの秘密、じゃないですが、卒業に向かって進んでいく、最後の前日のデュエットダンスでした。
私が勝手に思っていただけかもしれませんが、踊っている時に、言葉にはしていませんが「最後まで一緒によろしくお願いします、ありがとうございます」という感情が、私のなかで起こっていました。しかも「Oh Happy Day」という曲のデュエットダンスで、その曲に乗りながら踊っているのが、すごく幸せでした。すごく思い出深いです。退団公演は退団公演で思い出深いですが、『CONGRATULATIONS 宝塚!!』は、その瞬間を覚えています。

――まさにその千秋楽映像が配信されていますね。

そうなんですよ。私はそう思いながら踊っています。壮さんは思ってなくて、私ひとりで思ってるかも(笑)。

――ファンの方も、退団を知ってから観るのと、それまでとは違いますよね。

そうなんです。違うじゃないですか。だから、それが最後、いよいよこれからラストに行くんだなという、特別な思いがその時にあったんですよね。すごく幸せでした。

――改めて拝見して、客席降りがあったなと感動しました。

そうなんです! この作品、特に何回も! 私とちぎさん(早霧せいな)が一番奥まで走ってます。

――1階席の後ろのとこですよね。

一番ダッシュしてる!

――今じゃ考えられない客席降りで、お客様とすごくコミュニケーションをとられていましたよね。

とっていました。壮さんとも、つい先日お会いした時に、このお話をしていて、「客席降りだったよね~」みたいな。ちぎさんと私で、ふたりだからすごい勢いで走っていたよねって(笑)。

https://news.tv.rakuten.co.jp/2022/08/manakaayu01.html 【前編】愛加あゆさんインタビュー:ミュージカル『ピピン』出演

作品情報

ブロードウェイミュージカル『ピピン』

⼈⽣の⼤いなる⽬的を模索中の若き王⼦ピピンは、美しくカリスマ的なリーディングプレイヤーが率いるアクロバットサーカス⼀座に誘い込まれる。⼀座が披露するのは、⼈⽣の⽬的を探し求めるピピンの壮⼤な物語。⽗が統治する故郷に戻ったピピンは、⽗に認めてもらおうと、戦への同⾏を志願するも、戦の空虚さに気づき、もっと別の<特別な何か>を求めて旅に出る。「悩んでばかりで⼤切な時間を無駄にせず、⼈⽣を楽しみなさい 」と説く祖⺟に感化され旅を続けるピピンは、さまざまな愛のかたちを知るが、やがて⼼を伴わない愛は無意味だと悟る。戦に出ても、空虚な恋愛に耽っても、⼼は満たされないと知ったピピン。旅の最後に全てを捨てて彼がようやく⾒つけた本当の幸せとは・・・

●脚本
ロジャー・O・ハーソン
●作詞・作曲
スティーヴン・シュワルツ
●演出
ダイアン・パウルス
●振付
チェット・ウォーカー (in the style of Bob Fosse)
●サーカス・クリエーション
ジプシー・シュナイダー(Les 7 doigts de la main)
●出演
森崎ウィン、Crystal Kay(クリスタル ケイ)、今井清隆 、霧矢大夢 、愛加あゆ 、岡田亮輔 、
中尾ミエ(Wキャスト)、前田美波里(Wキャスト)
高畑遼大(Wキャスト)、 生出真太郎(Wキャスト)
加賀谷真聡、神谷直樹、坂元宏旬、茶谷健太、常住富大、石井亜早実、永石千尋、伯鞘麗名、妃白ゆあ 長谷川愛実 、増井紬


【東京公演】
2022年8月30日(火)〜 9月19日(月・祝) 東急シアターオーブ
【大阪公演】
2022年9月23日(金・祝)〜 9月27日(火) オリックス劇場

Rakuten TVで視聴する

60737,153277

インタビュー 宝塚歌劇団 OG 愛加あゆ

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