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【前編】寿つかささん&七海ひろきさんインタビュー:『THE MONEY』出演

【前編】寿つかささん&七海ひろきさんインタビュー:『THE MONEY』出演
元宝塚歌劇団宙組組長・寿つかさ退団後初舞台&初主演、七海ひろき初プロデュース演劇企画、舞台『THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-』が上演される。Rakuten TVでは、東京・大阪公演千秋楽公演を独占ライブ配信する。 前編では欲望渦巻く5人が織りなす新感覚ミステリーシットコム作品について、出演やプロデュースへの思い、現在の心境や、期待することなどを聞いた。 そして、後編ではRakuten TVで配信している宝塚歌劇団の作品から、ふたりのおすすめ作品をセレクトしてもらい、それぞれのセレクト理由や思い出を語ってもらった。 (文・写真:岩村美佳)

ーー最初に、初プロデュースをする作品への思いをお聞かせください。

https://news.tv.rakuten.co.jp/2023/08/kotobuki-nanami02.html 【後編】寿つかささん&七海ひろきさんインタビュー:『THE MONEY』出演

七海:
宝塚在団中は特に、かなり大きな舞台で、出演者も多い舞台に携わってきました。そういう舞台の魅力とは違ったものをお届けしたい、特に演技に力をいれ、脚本の面白さで勝負する小劇場公演をやってみたいなと思っていました。
そして、今回のシットコムはお客さまの笑い声もひとつの演出になるという形なので、その一体感も小劇場だとより感じられるのではないかなと思いました。自分たちの見せ方やお客さまからの見え方も今までと違ったものになると思うので、そういうのも含めて挑戦してみたいという強い思いがあります。
脚本・演出の保木本(真也)さんはドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』でご一緒したのがきっかけで、今回の企画をご相談させていただきました。キャストはシットコムをやるにあたって真っ先に浮かんだのが、すっしぃ(寿)さんで、最初にお声をかけさせていただきました。他の皆さんもお芝居を一緒にやりたい人や、作品を盛り立てていくことができる人など、いろいろ考えて、おひとりずつに「こういう舞台をやりたいんですけど」と電話してお願いしました。

ーー演技派の皆様が揃っていますよね。

七海:
シットコムというスタイルにすごく合っている方々だと思います。

ーー七海さんは、元々シットコムがお好きだったんですか?

七海:
私は小さい頃に、小劇場演劇や地元のちっちゃい演劇などを見たりしていたんです。あとは、三谷幸喜さんのシットコム作品を見てすごく面白いなと思っていました。私自体はコメディをあまりやったことがなく難しそうと思っていたのですが、このメンバーでやるとなると、シットコムがぴったりだなと思います。

ーー寿さんは、七海さんが初プロデュースされることについてはどう思いましたか?

寿:
ついにプロデューサーまで来たかと!卒業してから、ひとつにとらわれず、いろいろなジャンルで幅広く活躍して挑戦し続けるカイちゃん(七海)を、いつもすごいなと思っていましたので、ついに作る側、プロデューサーということで、この公演の企画をしたということに驚きと尊敬の気持ちです。でも、カイちゃんは在団中もお芝居を職人的に作り上げる人だったので、すごく納得させられるというか。

七海:
ありがとうございます!

寿:
ここまでとうとう辿り着いたかと、尊敬の念が堪えません。

ーーそういう意味では予想していたような?

寿:
ずっと見ていて、全く不思議はないという、彼女の歩いてきた人生と、進んできた生き様というんですかね。陰ながら見ていて、そう思っております。

七海:
すっしぃさんは、「公演を拝見しました」とご連絡すると、「いつもいろいろやっていてすごいね」って在団中から気にしてくださっていて。お忙しいのに。

ーー寿さんは退団後初舞台&初主演になりますが、出演のお話を聞いてどう思いましたか?

寿:
驚きしかなかったです。カイちゃんから伺ったときには、ひとつは主演というその立場にまずたじろいだというか。私は、人生で主演なんていうものを考えていなかったので、ちょっとすぐにお返事できなくて、「もう少し考えさせてください」と、時間をいただきました。その間も「ちゃんとゆっくり考えてください。もし今回無理でも、また次の機会にぜひできればと思っているので」と、カイちゃんに懐深く言ってもらったんです。卒業して今年いっぱいは、自分で何かやりたいことがあったということではなかったので、舞台に立つのも来年とか、年数が経ってみて、自分がどう変わるかな、何がやりたくなるかなと、卒業してみてからと思っていたので、そこも考えさせてほしいひとつでもあったんですよね。

七海:
それはそうですよね。

寿:
内容は大変興味のあるストレートプレイで、いろいろ宝塚以外で拝見していて、憧れの舞台やジャンルでもあったので、“私が”というところの葛藤というか。でも、考えれば考えるほど、自分も挑戦してみたい憧れの舞台でしたので、オファーを受けさせていただきました。

ーーオファーをお受けいただけるということで、七海さんはいかがでしたか?

七海:
本当に嬉しかったです。私はもう、すっしぃさんに主演をしてもらいたかったので。

ーーそこが一番大事なんですね。

七海:
そうなんです。懐深くって言ってくださいましたけど、心の中では「受けてください! お願いします!」という思いでお話していましたので、お返事をいただいたときは本当に嬉しくて。これでもうこの作品は大丈夫!と自信を持ってお届けできるなと思いました。

ーー七海さんが、シットコム&ミステリー作品をこのキャストの皆さんで上演するにあたり期待することをお聞かせください。

七海:
今回の出演者は元々私が宝塚歌劇団の宙組でご一緒した皆さんです。少し物語の設定をお話しすると、すっしぃさんは、夫を探している<ミツキ>という役なのですが、私が演じる<アオイ>に5000万を山分けをしようと持ちかけられます。今回のミステリーが起きる館の主人<マリ>を緒月遠麻さん、5000万を追っている刑事<サエ>を伶美うららさん、マリの御用達食品宅配員の<ウオ>を澄風なぎさんが演じます。保木本さんは私達の普段の様子をみて、役を作ってくれたので思うがままに演じれたらと思っています。

ーープロデューサー的には、寿さんのどんな面を見せたいですか?

七海:
私は宝塚在団中から、すっしぃさんが舞台でお客様の視線を釘付けにしているところを何度も見てきました。特に、真面目な役なのに言葉の言い回しや行動で“笑い”を起こしていて。“笑わせてやろう”と狙っているわけではないので、それがまたとても面白くて。私は下級生ながらに何て素敵なんだろうと思っていました。今回もこの作品で、漫才ではなくシチュエーションで笑えるという感覚を、皆さんに楽しんでもらいたいです。あとは、すっしぃさんの退団して初めての作品なので、<宝塚歌劇団の寿つかさ>さんではない、<寿つかさ>さんを楽しんでもらいたいなというのは、個人的にも、プロデューサーとしても思っています。

ーーありがとうございます。寿さんは、キャストの皆さんとご一緒するにあたり期待することをお聞かせください。

寿:
みんな、歌とダンスも素晴らしい表現をするんですが、特にお芝居が好きで。役の作り方であったり表現が、それぞれ存在感がありながらも後からじわじわ来る、どんどん押し寄せてくる魅力を持っているメンバーだと思います。いろんなタイプがいて、お芝居へのアプローチの仕方などが、職人気質なメンバーです。宙組で一緒にやっていた時も、舞台を重ねることによって変わっていくというか、その人物がどんどん息づいていくのがわかるんです。いつも尊敬していた人たちだったので、今回そこがまた楽しみですね。澄風さんとはついこの間まで一緒に舞台に立っていたんですが、他の3人も宝塚を卒業して、いろいろな経験を経て、今こうしてまた一緒にお芝居できるので、先輩たちに次いで、私もまた新たな一歩を踏み出せたらと思っております。

ーーお互いの印象について、役者として、パーソナルな部分について、をそれぞれの面からお聞かせください。

七海:
私が下級生のときから、すっしぃさんは<寿つかさ>という素晴らしい役者さんで、噛めば噛むほど味を感じる方だなと思っていました。初日から千秋楽に向かってお客さまの空気を受けて、ちょっとずつ芝居が変わっている部分というのもあって、いつも素敵だなと感じていました。
パーソナルな部分としては、15年宙組組長をされていたというのを改めて聞いて、本当にすごいことだなと思いました。みんなに対して、一人ひとりにちゃんと目を向けるって、簡単にできることじゃないなと。私自身、いつも相談してはアドバイスをもらっていました。

寿:
カイちゃんは、下級生の頃から自然にお芝居をする人で、役での説得力がとてもありました。下級生で技術面とかはこれからという時期でも、その役での説得力がすごくあって、自然なんですよね。それが素敵だなと思っていました。アイドル性も、容姿のビジュアルのカッコ良さもありながら、でもちゃんと役として生きるところが、バウホール公演などを見ていても、目が離せない存在で。役に入り込むとか、豹変するというのはちっちゃいときからだったんですけど。私達は(下級生の頃のことを)ついちっちゃいときからって言ってしまうんですが(笑)。

七海:
言っちゃいますよね(笑)。

寿:
その後にいろいろな経験をして、プロデュース力が芽生えたときに、男役スターとしてのパフォーマンスがガラッと変わって、次のステージに行ったというか。そこから<七海ひろき>はどんどん輝いていったなと。それがまさに今の舞台『THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-』のプロデューサーになったというところに繋がってるんじゃないのかなって思います。カイちゃんが取り組んできた結果が、ここに繋がってるんだなと思いますね。

ーー何かパーソナル部分で、寿さんだから知るみたいなことはありますか?

寿:
先輩後輩の関係はありますが、そこを超えた信頼関係みたいなものは昔からありました。相談しやすい上級生と言ってくれましたが、私は下級生という意識はあまりないんです。34年やっていても、研一(研究科1年)の子と、何かを作るときは何ら変わらない。意識しているわけではないんですが、夢中になって没頭してしまうところがありまして、34年も、15年の組長期間も、できないことに向き合い、そこから何かを学び、反省を繰り返す日々でした。
今回一緒に共演するメンバーもそうですが、宝塚は次から次に魅力的な生徒というか、仲間が入ってくるきりがない世界で、芸事に終わりはないという一心でした。宝塚以外でもエンターテイメントはそうだと思うんですが、これで終わりとか、これで完結ということがなく、それが年数になっていたのかなと思います。でもこういう、カイちゃんのような仲間がいてくれたからこそですけれどね。

ーーお客様へ、配信をご覧になる皆さんにも、メッセージをお願いします。

寿:
この作品は面白いです!詳しくはネタバレになるので今は言えませんけれども、ぜひ皆さんも私達と一緒に登場人物としても参加していただけたら。お芝居としては5人ですけれども、出演者としてそこにいるかのような感覚になってくださるんじゃないのかなと思っておりますので、その感覚をぜひぜひ体験しにいらしていただきたいのと、配信でもまた違う角度から楽しんでいただけると思いますので、ご期待ください。

七海:
私もよくRakuten TVで宝塚の配信を見るのですが、配信ならではの面白さがあるなと思っています。今回、「全景視点」と「物語視点」があるので、どちらも面白さが違うと思います。定点で全体を見る面白さと、一人ひとりの表情を見ることができるというのは違うと思うので、ぜひどちらも楽しんでもらいたいなと思っています。今回は初プロデュース作品であり、座長をやらせていただきますが、主演の寿さん皆さんと一緒に……

寿:
「主演」にまだ慣れないっていう(笑)。

七海:
いやいや。カンパニー全員で最高に面白い、舞台『THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-』を作っていきたいと思いますので、皆さん大いに笑って楽しんでください。

https://news.tv.rakuten.co.jp/2023/08/kotobuki-nanami02.html 【後編】寿つかささん&七海ひろきさんインタビュー:『THE MONEY』出演

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