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當真あみインタビュー:映画『おいしくて泣くとき』に込めた思い&お気に入りの映像作品のお話

當真あみインタビュー:映画『おいしくて泣くとき』に込めた思い&お気に入りの映像作品のお話
4月4日に公開される映画『おいしくて泣くとき』。本作は、森沢明夫の同名小説を原作に、「大事なことほど小声でささやく」などを手掛けた横尾初喜監督が実写化したもの。幼くして母親を亡くした心也と家に居場所がない同級生の夕花が出会い、心を通わせあうも、ある事件をきっかけに夕花が姿を消してしまう。行き場のない思いを抱えたまま、心也は夕花を待ち続ける。別れから30年、彼女の秘密が明かされる…。主演を長尾謙杜(なにわ男子)が務め、ヒロイン・夕花を當真あみが演じる。今回のインタビューでは、夕花役の當真あみに、作品について、演じる役について、撮影でのエピソード、見どころなどを語ってもらった。
(文・田中隆信、撮影・中川容邦)

――原作や台本を読んだ時の印象は?

心震える物語だなと思いました。私が演じる“夕花”と長尾さんが演じる“心也くん”のラブストーリーを描いた作品ですけど、それだけではなく、ふたりを取り囲むいろんな人の愛がたくさん詰まった作品だなと思いました。

――演じた“夕花”はどんな子ですか?

私が演じる夕花は、父親との関係が良くなくて、家に居場所がなく、あまり明るく過ごせなかったりします。演じる時には、ただ気持ちが暗くなって沈んでしまうのではなく、明るく努めようとしているところを意識しました。夕花には弟がいて、弟を守るという気持ちを持っているので、その部分はちゃんと出していきたいなって思いました。

――“強さ”も持っている子なんですね。

はい。夕花はすごく強い子だなって思いました。厳しい家庭環境の中で、自分の居場所を探したり、笑顔でいることを少し頑張っていたりして、私だったら出来ないだろうなと思うので、やっぱり強い子ですね。

――夕花と心也は、お互い大切な存在だと思いますが、夕花はどんなところに惹かれたと思いますか?

心也くんはすごく優しいんです。優しさを分けてくれて、支えてくれようとしているのが見えるのがすごく嬉しいですし、存在自体が“心の居場所”に感じられたので、そこが惹かれた理由なのかなと思いました。

――監督からは演技についての演出やアドバイスはありましたか?

細かく決めて演じるというよりも、撮影しながら話し合って進めていく感じでした。夕花が心也くんに支えてもらっているけれど、それと同時に夕花も心也くんの“居場所”であって欲しいというお話を受けて、自分がもらうだけではなくて与えてもあげられるようお芝居をしました。

――2人の関係性のバランスが重要な感じもしましたし、感情移入しやすいところかなと思いました。

自分の“好き”という気持ちだけではなく、“相手のために”という気持ちが入っているというのが私はすごく素敵だなって。この作品に登場する人物が常に誰かを想って行動しているところが私はすごく好きです。たとえば、心也くんが夕花のことを想っていたりとか、安田顕さんが演じる心也くんのお父さんは自分の子どもだけではなくいろんな人に手を差し伸べて、「自分ができることがあれば」と思って子ども食堂をやっていたりとか。そういった想いがたくさん集まった作品だなというふうに感じました。

――心也役の長尾さんと共演されてみてどんな印象を受けましたか?

すごく明るい方で、私は初日に結構緊張していたんですけど、気さくに話しかけてくださって、緊張をほぐしてくださいました。いつも笑顔で明るくて、私がミスをした時にも「なんかそういうこともあるよ」みたいな感じで和ませてくれる存在だったので、現場の空気を温かくしてくれました。

――ふたりだけの部活「ひま部」というのを作りますが、それは夕花たちにとってどういう存在でしたか?

“希望”というか、そこに行けばすごく楽しくて、少し現実から逃げられるところであり、“自分の居場所になったらいいな”というふうに思っていた場所だと思います。それがあることで毎日を頑張れると思わせてくれる存在だったんじゃないかなって。

――當真さん自身はどんな部活に入っていましたか?

私は小学校の時に吹奏楽部に少し入っていて、中学校ではテニス部でした。

――完成した映画を見た感想を聞かせてください。

私が出ていないシーンがたくさんあったので、そこは撮影している時から完成したものを見るのを楽しみにしていました。台本を読んで、「こんな感じなのかな」とか想像しながら楽しみに待っていたので、安田さんと長尾さんの親子のシーンが特に感動しました。温かさがすごく見えるというか、夕花とは対照的ですごく愛を感じました。

――“対照的に”とお話しされましたが、夕花はつらい目にあうシーンがありますが、お芝居とはいえ、そういう感情を撮影後も引きずったりすることは?

私は感情を撮影以外で引きずることはあまりなくて、役のクセというか、動きなどのクセは自分に馴染ませるために休みの日でもやっていたりするんですけど、気持ちや感情の部分は撮影の時とお家に帰る自分とで切り替えています。お芝居で言うと、夕花の自宅でのシーンは「こういうふうに」と、お父さん役の池田(良)さんともたくさん話しましたので、全然心配なく撮影に臨めました。

――たくさんあると思いますが、その中でも特に好きなシーンは?

個人的に好きなのは、海のシーンです。作品の中で、暗い気持ちではなく、純粋に楽しんでいるというシーンだったなと思うので、そこがお気に入りです。

――撮影は愛知や静岡の自然豊かなところで行われたということですが、ロケ地の雰囲気はいかがでしたか?

自然が素敵なところばかりでした。二週間ほど滞在しての撮影だったので、結構いろんなところを歩いてみましたね。そういうふうに長期で普段とは違う場所に滞在するのがすごく楽しくて、新しい環境で過ごすことですごく新鮮な気持ちにもなりました。それと、役にも入りやすくなるのですごく良かったなって思います。

――撮影での印象的なエピソードも聞かせてください。

雨のシーンがあるんですけど、その時は、実際に雨が降ってる中で撮影をしました。衣装がどんどん濡れていって大変だったんですけど、雨降らしで作ったのではなくて、実際に降っているとより気持ちが作りやすかったです。他のシーンで、雨が降って撮影ができなくなったというのもなかったので、すごく天候に恵まれていたなと思います。

――逆に、大変だったり苦戦したりしたシーンは?

夕花が決断するシーンが少し苦戦しました。感情を思い切り出すのが難しくて時間をかけてしまったんですけど、心也くんが気持ちをぶつけてくれるシーンでもあったので、大切なシーンだからこそいろいろ考えましたし苦戦しました。監督が「落ち着いて心也の気持ちを受け止めて、その気持ちをしっかりと返すようにして伝えることを大切にしてほしい」とおっしゃっていたので、気をつけながら演じていました。

――劇中で四つ葉のクローバーを探すシーンがありますが、當真さんが四つ葉のクローバーを集めてスタッフの皆さんにプレゼントしたと聞きました。それはご自身のアイデアですか?

はい。最初はそんなにたくさん見つかると思ってなくて(笑)。マネージャーさんと一緒に「見つけられたらいいな」って言いながら探していて、一つ見つけて「ラッキー!」なんて言ってたら、探す仲間もだんだんと増えていって、四つ葉のクローバーもどんどん集まってきたんです。それなら栞にしたほうがいいかなと思って材料を準備して、皆さんにお配りしました。

――皆さんに渡したのはクランクアップの時?

はい、すごくギリギリまで作っていて、最終日のバスの移動中にやっと完成しました。それでクランクアップの時に「お世話になりました。台本にでも挟んでいただければ」とお渡しできました。

――「おいしくて泣くとき」というタイトル通り、おいしそうな食事のシーンもありますが、実際に食べてみてどうでしたか?

「バター醤油焼うどん」が出てくるんですけど、すごくおいしかったです。食べるシーンはカウンターに座って撮影したんですけど、向かいに厨房があって、そこから香りが漂ってきていたので食べるまではおなかが空いて大変でした(笑)。

――當真さんの“思い出の味”は?

お母さんが作る料理が好きです。高校一年の時に東京に来てから3年経って、もうすぐ卒業するんですけど、沖縄にいる時から好きだったハンバーグを作って冷凍して、よく送ってくれます。それが自分の思い出の味というか、大切な味ですね。

――家族で食べた食事というのは大切な思い出になりますよね。

はい。家庭の味というのを実感しますし、送ってもらったものを食べた後は、すぐにお母さんに電話して「おいしかった」って伝えています。

――この作品に込められたテーマや見てもらいたいポイントなどを教えてください。

心也くんはお母さんを亡くし、夕花は家に居場所がなく、少し孤独なふたりがそれぞれ居場所を探していて、お互いを助け合っているうちに惹かれていって。でも夕花が急に姿を消してしまい、そこから30年という長い間、心也くんは彼女の幸せを願っているという。“すごく好き”とか学生の時に持っていた気持ちだけでは表せない大きな愛に変わっていく作品で、そこがすごく私は震えるというか、たくさんの愛が詰まった作品だなと思います。このふたりだけでなく、心也くんとお父さんだったり、2人を取り巻く人たちの温かさもすごく感じられる作品です。

――この映画をどんな人たちに見てもらいたいですか?

まずは夕花と心也くんと同世代の方に。すごく好きっていう気持ちだけでなく、お互いを思いやる気持ちというのが、好きな相手に限らず、いろんな人と関わり合う上で大事なものなので、この作品を見て、「そういうこともあるんだな」と思ってもらえたらいいなと思います。夕花たちよりも上の世代の方には、“初恋”という部分で懐かしいという気持ちになってもらえるんじゃないかなと思います。人生に一度しかない初恋を、この作品を見て思い出してもらえたら嬉しいです。

――作品の話から離れますが、當真さんのお気に入りの映画とアニメを教えてください。

映画は「ハリー・ポッター」シリーズが好きです。中学一年生の時に父の影響で見るようになったんですけど、フィクションというか、現実で起こることのないファンタジーの世界が好きなので、シリーズを通して見ました。

――好きなキャラクターは?

ルーナが好きです。少し独特な雰囲気があって、彼女のお芝居も好きですね。

――アニメ作品は何が好きですか?

『風の谷のナウシカ』です。これも父の影響で見るようになりました(笑)。父はジブリ作品が好きで、私もそれで見るようになってどの作品も好きなんですけど「ナウシカ」が特に印象に残って、最初に見た時は「なんでこんな大きい虫がいるんだろう」ってちょっと怖いなという気持ちもありました。でも、自分が大きくなるにつれて、人との関わりだったり、人間の怖い部分が見え隠れする中でのナウシカのまっすぐな気持ちと優しさがすごく刺さるようになりました。

――ナウシカの強い部分とか優しい部分とか、いろんな面が見えてくるとより惹かれますよね。

はい。『おいしくて泣くとき』の撮影中、休みの日にジブリパーク(愛知県長久手市)に行ったりもしました。

――アニメといえば、『かがみの孤城』で声優にも挑戦されていましたが、また声優のお仕事もやってみたいなという気持ちはありますか?

かがみの孤城』で声優のお仕事の難しさも感じたんですけど、楽しさもあったので、また挑戦できる機会があればやりたいなと思っています。

――アニメの声優に再チャレンジというのもそうですが、今後、お仕事で挑戦してみたいことや目標みたいなものはありますか?

ちょっと今やってみたいのがアクションです。アクションを習ったことはないんですけど、アクションを間近で見る機会があって、自分も挑戦してみたいなって。

――3月で高校卒業というタイミングですし、この春からさらに演技や役柄の幅も広がっていきそうですね。

これまで学生役を演じさせてもらうことが多かったんですけど、高校を卒業するということで、社会人として何かの仕事に打ち込んでいる役などもやって行けたらいいなと思っています。


■推し楽では、長尾謙杜さんのインタビューを公開中!
長尾謙杜が語る、映画「おいしくて泣くとき」心也は芯がある”強い少年”
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作品情報

映画『おいしくて泣くとき』
4月4日(金)全国公開

■ストーリー

幼いころに母親を亡くした心也と、家に居場所がない夕花。同級生の二人はひょんなことから「ひま部」を結成、孤独だった二人が互いに距離を縮めていく。しかし、ある事件をきっかけに夕花は姿を消してしまう。行き場のない想いを抱えたまま、交わした約束を胸に彼女を待つ心也。突然の別れから30年、明かされる彼女の秘密。その秘密を知った時、あなたもきっと涙する─。

■キャスト・スタッフ

出演:長尾謙杜 當真あみ
美村里江 安田顕 ディーン・フジオカ

原作:森沢明夫「おいしくて泣くとき」(角川春樹事務所 刊)
監督:横尾初喜
脚本:いとう菜のは
音楽:上田壮一
主題歌:Uru「フィラメント」(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
製作幹事:WOWOW
制作プロダクション:AX-ON
制作協力:パイプライン
配給:松竹
ⓒ2025映画「おいしくて泣くとき」製作委員会

公式HP:https://movies.shochiku.co.jp/oishikute-nakutoki/
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