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ーー確かに激動の時代だったと思います。
そのくらい、国としてのアイデンティティも揺れていたと思うんです。
ただ、そういう時代背景はありますが、この作品はドキュメントであってほしくなかった。もしドキュメントだったら、このドラマをつくる意味がなくなってしまいますから。なので、作品の世界観においては、想像の余白がちゃんと立ち上ってくればいいなと思って臨ませていただきましたし、きっと提示することができたのかなと。実際でき上がってきたものを見ましたが、物語として楽しんでもらえるだけの要素はたくさんあると思います。
ーーその「アイデンティティ」ですが、日本語だと「存在意義」「存在証明」と訳されます。ずばり、“俳優・高橋一生”のアイデンティティ=存在意義は現時点で確立していると思いますか?
していると思いますけれど、その本質のようなものはまったく伝わってないと思います。
ーーでは、これから先のキャリアでそれを伝えていきたいですか。
どちらでもいいと思っています。
ーーそうなんですか。
なぜならそれは時代にもよると思いますし、受け取り方によっても、人によっても、そのときの社会的な雰囲気によっても違うと思いますから。
ーー俳優としての自分を常に客観的に見ているのですね。
これはもう“運”でしかないと思います。自分の思想をちゃんと相手に伝えていくこと、しかも、見ている方々に伝えていくことで、その存在意義がどこにあるのか、「高橋一生」という俳優のポジションがどのあたりにあるのかなんて、僕が知りたいと願っても叶うことではない。なので、何も考えていないかもしれません。むしろ、好きなように受け取ってただければ、と思っています。
ーーその姿勢を貫いて俳優人生をまっとうしていくと。
それでいいかなと思います。
連続ドラマW 1972 渚の螢火
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