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ーー今回演じられた真栄田は沖縄出身で東京の大学に進学し、警視庁勤務を経て琉球警察へ戻ったエリート刑事。地元の署員からは「本土の人間」と揶揄される彼の心情に触れて、高橋さんが最も感じたことは何でしょう。
真栄田に対して「それじゃ(相手に)伝わらないよ」というセリフがありますが、僕自身にとっても過去によくあったことでもあるんです。相棒である与那覇(青木崇高)が真栄田を称するときに「あいつは昔から何を考えてるかわからなかった」と言うのですが、僕も同じようなことをよく言われていたので、そこにシンパシーを感じていました。
本人はそんなつもりはなくても、言葉にすることが照れくさかったり、あまり説明したくなかったりなど、そういう気持ちが根底にあると思うんです。
真栄田としても、そこの部分はあまり語るべきではないし、語ってもわかってもらえないだろうし、と感じていたような気がします。なので、役の理解としては、自分自身のそういうところから彼にフォーカスを当てていったところはあります。
ーー高橋さん自身にも真栄田と重なる部分があったということですね。
真栄田はとても素直で、取り繕っているというか、虚勢を張っているところがない。その部分に関してはとてもいい人間だなと思いつつ、周りからどう思われているかわからない、という感覚においては、僕もそうだった時期があったかもしれないな、と思いながら芝居をしていたので、そこはけっこう面白かったです。
ーーちなみに高橋さんはその時期、苦しかったり、辛かったりしましたか。
芝居だけでなく日常生活においても「それだと伝わらない」と言われることが多かったので、自分が伝えていたこと、伝えそびれてしまっていたことを、演じながら真栄田に投影していたと思います。
ただ、もちろん脚本があって、物語の流れもあるので、どこまで彼の感情の発露を通じてお芝居で説明していけるかなとは思ってましたけれど、逆算して、例えば与那覇とお互いがお互いを理解していく過程を考えると、真栄田としてはきっと伝わっていたんだろうなという感覚はあります。
ーー今回のドラマのタイトルであり、物語の舞台でもある1972年ですが、沖縄を含めた当時の日本の時代背景、社会情勢には緊迫感とともに複雑なものを感じます。
あの頃の日本って、自分が勉強している限り、まだアイデンティティに揺れていたと思うんです。日本国内だけの問題ではなく、当時の世界情勢における日本の立ち位置であったり。安保闘争や学生運動などが起こり、それぞれの思想が激しくぶつかり合うなか、もしかしたら日本という国が大きく変わるんのではと思った人もいたでしょう。
連続ドラマW 1972 渚の螢火
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