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――では、次の作品『THE ENTERTAINER!』を選んでくださった理由や、見どころをお聞かせください。
田舎から出てきた人がどんどんいろんな先生にめぐり合って、スターになっていくという内容の作品です。
「君みたいな者はここにふさわしくないから、出て行ってくれ」というオーディション会場からスタートするんですが、私自身が元々劣等生で、宝塚を知らないで入って、成績もビリのところから始まっているので、本当に私の人生を野口(幸作)先生が演出で、素敵なストーリーしてくれたんですね。
そういう部分で、どんな人でもとにかく努力して、いろんな先生との出会いだったり、その出会いに感謝して精進し続ければ、必ず上に行けるんだというのをメッセージとして取り組んでいました。ちょうど初舞台公演だったので、その初舞台生の子たちへのメッセージという意味合いもありました。
――今、『THE ENTERTAINER!』で初舞台を踏まれた方々が、ご活躍されていますね。
演出家の野口幸作先生のデビュー作品だったんですよ。しかも初舞台公演を抱えるって、演出家にとって非常に大変なんです。通常の80人プラス40人増えてしまうから、いろんな構成を考えることなどが大変なんです。だから、デビューする演出家である野口先生にとにかくやってみようということになって、先生と力を合わせて作った作品でした。
241953 (c) 宝塚歌劇団 https://tv.rakuten.co.jp/content/241953/
――あそこから野口先生の名作が次々生まれていきましたね。そのスペクタキュラーシリーズの第一作ということで、やりたいことが詰め込まれている作品なんだろうなと思いますが、こちらも本当に色鮮やかですよね。いろんな曲があって、いろんなシーンがあって。
そうですね。私がその当時タカラヅカ・スカイ・ステージでジャズの番組を担当していたんですが、野口先生がそのファンだったらしくて。だから、私がジャズの音楽番組でしか披露していない曲を一気に入れたんですよ。その中でもベスト5ぐらいな曲を先生が選んで、それをショーにしたんですよ。だからテイク・ファイブもそうですし、フラメンコ風に持っていったりとか、それこそ中川晃教さんの「マタドール」とかも、ああいうのを宝塚でやるというのもなかなかなかったことなので。
――先日の『RUNWAY』でも歌っていらっしゃいましたね。
そうです。なので、そういう部分でもちょっと異色だったんですよね。
――すごく高揚する楽曲ですし、あのシーンに合っていますよね。
ファンの人が作ったショーという感じですよね(笑)。ファンが作ったらこんな感じになった!みたいな。でも、そうやって真ん中でやる座長さんのいろんなことを知り尽くしてくれている演出家だからこそ、いいものができるんじゃないかなと。あの作品をさせてもらった時に非常に感謝しましたし、お客さまも喜んでもらえたので、本当に野口先生はよかったなと思います。
――もうひとつ、紅ゆずるさんとのシーンの面白さは、ここでしか見られないのではという気がします。
あれはまったく台本がなかったので、その日その日で、上演時間が5分くらい伸びてしまっていましたけど(笑)。
――その集大成の大千秋楽の回の配信になっております。
結構伸びていましたよね。何のアドリブをやったかももう覚えていないんですけど。
――北翔さんが帰ろうとしたのを、紅さんが引き留めて、もっとお話をするという回でした。
私は台本通りにやろうと思っていたんでしょうね、きっと。元々はそういう台本がなかったんだよということだったんだと思いますけど(笑)。
――紅さんもエンタテインメントにすごく長けた方でアドリブもすごくあると思うのですが、トップと2番手として、お二人でのエンタメのシーンというのは、いかがでしたか?
私たちは本当に特に打ち合わせもしないので、何がどう出てくるか、その時の奇跡に任せようみたいな感じでしたので、逆に何がどう転んでもお互いがどこかでキャッチするだろうという安心感はあったんだと思います。そういう信頼関係ができていないと、ああいうアドリブはできないので。そういう部分では、紅さんだけではありませんが、出演者の組子同士がやっぱりお互いに「あなたを頼りにしています」という気持ちもこちらは出しますし、「あなたが何をしても私が必ずキャッチします」という関係性がしっかりできていた星組時代だったんじゃないかなと思います。
――北翔さんのピアノの弾き語りもありましたね。
X JAPANのクリスタルのグランドピアノだったんですが、盆が回りながら演奏するので、本当に目も回ってしまうし、百人ロケットの直後の演奏でしたので、手の甲に汗で水が溜まって湖みたいになっているんですよ。その中でピアノを弾きながら歌っていたので、極限で何かパフォーマンスをするってこういうことなんだなと、毎日のように思っていました。
北翔海莉 & 錬磨 「PULSE」
186010,241953,267182