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――最後に、3作品目の『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』について、選んでくださったポイントなどお聞かせください。
『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』は自分の集大成でしたので、それを感じてもらえれば嬉しいかなと思います。
――大千秋楽の映像ですので、本当の集大成の映像になっております。
あの時も、花組と一緒で、星組さんも和物に全然慣れていなかったので、今度は30人じゃなくて80人相手に日本刀のいろんな基礎を教えなければならなかったので結構大変でしたけれど、みんなしっかりついてきてくれていたので。大ナンバーの大立ち回りが結構いろんなところで出てくるんですね。みんなが病気怪我なく千秋楽まで来られたというのは、みんなの努力の賜物だと思いますし、ちゃんと信頼関係ができていたからこそ、怪我をしないでできたんじゃないかなと思いますね。
――中村半次郎を演じた経験というのはいかがですか?
齋藤(吉正)先生が、「あの人の生き方が北翔さんにそっくりなんだよね」なんて言っていたんです。齋藤先生が宝塚を受けた時に提出したのが、中村半次郎を題材にした作品で、その結果、宝塚に入団したそうです。そのストーリーを作っていたけれど、そういう役者にめぐり合えなくて、ずっと温めていて「やっと北翔海莉という人と中村半次郎が一致した」と言って、卒業公演にこれを絶対使いたいと。20年近く温めていたものだったらしいんです。
267182 (c) 宝塚歌劇団 https://tv.rakuten.co.jp/content/267182/
――すごいですね…。それを伺っていかがでしたか?
演じていた時に、実に自分にしっくりきていたんです。ひと言ひと言の台詞や、状況によってしゃべる台詞が、自分だったら多分そう言うだろうなということを言っているので、齋藤先生は本当によく分かっているんだなと思いました。
――『風の次郎吉 –大江戸夜飛翔–』も齋藤先生でしたね。
次郎吉もそうですし、ご縁のある先生でしたので、波長が合うというか、よく分かっていらっしゃるなと思いました。
――作品の「義と真心」という言葉が印象に残りました。中村半次郎の生き方の鍵になっている「義と真心」というのは、半次郎を生きたことで、ご自身にも何かつながったり残っていることはありますか?
日本の変わり目みたいな時代の作品なんですが、このままじゃいけないんだと分かって、いろいろとメッセージを送っている。けれどもそこでは通用しないジレンマがすごく苦しく描かれている部分がたくさんあるんです。
それが、私自身が宝塚にいた時と非常に重なるものがあったんです。例えばまっとうに生きていても、芸能の世界ではうまくいかないんだとか、それは宝塚に限らず、どの世界でもあると思うんですね。
でもそれが数年後、まっとうに生きないで、もっと要領よくやっていれば、人生がよかったのかというと、そうでもなくて。
自分が信念を持って貫き通すということが非常に大事なことで、頑張って精進しなさい、何年か後に必ず花開く時が来るからというメッセージを、この作品を通して伝えたいですよね。
――先日『夢の音楽会』を拝見したんですが、礼真琴さんの質問にお答えになっている北翔さんのお話と、今のお話や風の次郎吉のご挨拶が、つながっているのかなとも感じました。『THE ENTERTAINER!』と『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』では、礼さんも活躍されています。先日の『夢の音楽会』のお時間はいかがでしたか?
(ゲストが)何で私なんだろうと思う部分があったんですが、人それぞれ見えない部分や言えない部分、人には見せられない弱みはみんな持っていて、立場が上がれば上がるほど増えていくと思います。そういう意味で、言わなくても共感できる部分は分かりますし、何かアドバイスができたらいいかなと思って、あの時間を過ごさせてもらいました。
――北翔さんにとってもいいお時間という感じでしたか?
そうですね、私自身も自分が現役の頃を振り返って、(礼さんが)苦しいだろうなという部分ももちろんありますし、でも、その苦しみを乗り越えられる人だからこそ、そういう立場になったんじゃないかなと思えますので、そこはやっぱり背中を押してあげるしかありませんしね。
――礼さんと久しぶりにお声を合わせるのはいかがでしたか?
ああやって現役の頃の懐かしい曲を歌うというのは、非常に懐かしくて、久しぶりでしたので。自分自身も昔に戻ったような感じでした。
――たくさんのお話をありがとうございました。最後に読者の皆様にお伝えになりたいことはありますか。
ビルボードライブに関してだけではなくて、いつもステージにチャレンジする時に、いろんなことに行き詰ったり、試練があったり、病気と闘ったり、いろんな人がお客さまにいらっしゃると思うんですね。そういう部分で、ステージを見て、たったひとりでもいいので、何か背中を押してあげられるようなステージにできたら嬉しいなと思いますし、歌1曲でもいいから見に来てくださる人の心を癒して、次に頑張れる、励みになるような時間をお届けできたらと思っていますので、ぜひ皆さんに楽しんで観に来ていただけたら嬉しいなと思います。
北翔海莉 & 錬磨 「PULSE」
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