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ディズニーの人気キャラクターの1人、スティッチ。銀河連邦の“悪の天才科学者”ジャン場博士が破壊生物・試作品626号として開発した暴れん坊のエイリアンで、ちょっと気持ち悪いけど、なんだかかわいい、“キモカワ”さに惹かれるファンが多い。そのスティッチが、実写でぬいぐるみのようにモフモフになって登場というのも魅力の1つだ。
物語は、スティッチが銀河連邦から追放されるところから始まり、不時着した地球の美しい島・ハワイで、両親を亡くして姉のナニと2人暮らしをしている6歳の少女・リロと出会う。予測不能なスティッチの行動が平和な島に混乱を巻き起こしつつも、絆を育み、それぞれが成長する、温かな交流が描かれる。
大枠の設定はアニメ版と同じだが、水彩画タッチのアニメーションから、きらめく透明感のある海の中を始めとする豊かな自然描写は実写ならでは。その美しさが目にも鮮やかで心躍る。また、スティッチを捕らえるために派遣されたジャンバ博士と地球に詳しいエイリアンのプリークリーが、アニメ版では人間の服で“変装”しているが、実写版では人間に“変身”することで、ファンタジーの物語を実写化するバランスを整えている。ただ、エイリアンが地球にやって来たドタバタは変わらず楽しい。
少しずつ改変がされている中、実写化でグッと深まっているのがドラマ部分だ。社会福祉局の職員が2人が離れて暮らすことも検討する一方で、1人でリロを育てようと奮闘しているナニ。だが、まだ彼女自身も18歳で、家事も不慣れで失敗ばかり。実写では、海洋生物学の仕事を夢見て海洋生物学科で学ぶために大学進学を予定していたことが描かれる。それも授業料免除になるという優秀さで。ただ、それを諦めてリロのそばにいようと決意しているのだ。
かつては「楽しいお姉ちゃん」だったと振り返るリロ。ナニに恋心を抱く青年・デイヴィッドも最近のナニがカリカリしていると感じてしまっている。妹との生活のためにがんばっているのに、そうなってしまうナニの姿が切なく、愛する者のために諦めることがある思いは大人の心に突き刺さる。
リロがスティッチにオハナ(※家族を意味するハワイ語)がいるのかと問いかけるシーンがある。リロにとってオハナは「ママとパパとか、おうちにいて、たくさんハグとかキスとかして、そばにいてくれる人。どんな時も」という存在だった。
やがてスティッチに芽生える“オハナ”という感情。そしてスティッチと過ごす中で、オハナの絆の本当の意味を知っていくリロとナニ。さらにデイヴィッドやリロとナニの隣人である女性・トゥトゥらを含めた大きく包み込むような優しさの姿が、観る者にオハナ、愛情とは何かを伝えてくれる。
子供たち目線のワクワクしたり笑えたりする楽しさと、大人目線のドラマティックさによるホロリとする感動。幅広い世代の心を動かす“オハナ”の物語に魅了される。
(文・神野栄子)
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