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――そして、ご出演作品からは、『はばたけ黄金の翼よ(’19年雪組・全国)』、『ル・ポァゾン 愛の媚薬 -Again-(’21年雪組・全国)』を選んでくださいましたが、セレクト理由などをお聞かせください。
どれにしようかと悩んだのですが、『はばたけ黄金の翼よ』も曲がいいんですよね。漫画が原作なのですが、私自身もすごくこの作品から学ばせていただいたりして、印象的なお芝居です。みんながいろんなものを抱えているんですが、一番最後に望海風斗さんが歌われる歌で、何かが浄化されていくような、そんな感じがして、ぜひ皆さんに聴いていただきたいですし、物語もすごくいいんです。いい意味で分かりやすいというか。ドレスや男役さんのお衣装も「ザ・宝塚」という感じなので、ぜひ観ていただきたいなと思って選びました。
――朝月さんが演じたロドミアはすごくいいお役ですよね。
そうなんです。愛する人の腕の中で亡くなるという、娘役冥利に尽きるお役をさせていただきました。稽古場で試行錯誤しながら作っていって、私はあの作品の後に雪組から花組に組変えしたのですが、いろんな思い出がたくさんあって、題名を見た時に、私も久しぶりに観たいなと思ったんです。
382184 (c) 宝塚歌劇団 https://tv.rakuten.co.jp/content/382184/
――組替え前の公演でどんな印象が残っていますか?
すごく楽しかったです。雪組の皆さんと全国ツアーを回って、バスで移動したんですが、パーキングエリアでみんなでジャンプして写真を撮ったりとか、そういう息抜きもしながら全国を回っていったので、すごく楽しかった思い出がたくさんあります。
――朝月さんは、花組→雪組→花組→雪組と組替えをご経験されていますが、1回目の雪組はいかがでしたか?
最初に組替えした時はすごく緊張していたんですが、自分の引き出しにはない、例えるならば、今まで(花組では)パステルカラーで生きていたのが、(雪組では)ビビッドカラーの印象をすごく受けて、それがすごくいいなと思って。自分の今までになかったビビッドカラーをどんどん取り入れることができましたし、すごく勉強になったので、自分の中でなくてはならない時間でした。花組も雪組もどちらも私にとってなくてはならない時間でしたね。
――『ル・ポァゾン 愛の媚薬 -Again-(’21年雪組・全国)』は、プレお披露目公演ですね。選んでくださった理由をお聞かせください。
『ル・ポァゾン 愛の媚薬 -Again-』は、プロローグを聴いただけで盛り上がる曲で、主題歌を一度聴いたら耳に残る、すごく宝塚らしいショーだなと思うんです。レビューっぽい場面もありますし、男役さんが格好よく踊る場面もありますし、プロローグも華やかで印象的なお衣装だったりして、「ザ・宝塚」というショーだと思います。
私自身も出演できることがすごく嬉しかったですし、みんなで始まるあの有名なプロローグも、宝塚を知っている人は盛り上がる作品だと思います。観たことのない方がいらっしゃったら、ぜひこれを機会に観て、知っていただきたいなと思って、選ばせていただきました。
――『ル・ポァゾン 愛の媚薬 -Again-』の曲は、朝月さんのサヨナラショーでも歌っていらっしゃいましたね。
はい。お衣装も当時のものを着させていただいて、歌わせていただきました。
――作品としても、思い入れがありますか?
そうですね。やっぱりプレお披露目公演ということと、コロナ禍明けで全国ツアーがやっと始まった時でもあったり、いろんな思いが重なって、思い入れのある作品でしたので、ぜひと思いました。
455988 (c) 宝塚歌劇団 https://tv.rakuten.co.jp/content/455988/
――彩風咲奈さんとは、それまでもお役で組んでいらっしゃったり、ショーでもいろいろな場面を一緒に作っていましたが、正式にトップコンビとして組まれての公演で、何か印象に残っていることはありますか?
娘役として長くおりましたけれども、トップ娘役として咲さん(彩風さん)の相手役として組ませていただく経験は初めてですので、やっぱり分からないことも多くあったのですが、一番最初に「一緒に歩いて行ってほしい」とお言葉をいただいたので、本当に追いつけるように追いつけるようにと、日々必死だったなという気がいたします。
――この作品はいろんなデュエットダンスがあって、バラエティに富んでいますよね。
そうなんですよ! それもすごく面白くて。若者のバレエチックなシーンだったり、少し大人の男女のシーンだったり、ザ・レビューのシーンだったり、本当にすごく宝塚が詰まっている作品ですので、観ていただきたいなと思います。
――トップコンビとしてもすごくいろんなテイストが見られて、ぎゅっと詰まっているなと思います。彩風さんとそれぞれの場面を、どんな風に作られていきましたか?
「1回思うように思いっきりやってみて」という風におっしゃっていただいて、やって、足りないものだったり、そういうことをお話いただいたりしながら作っていくという感じですね。すごくいっぱい話し合うというより、回を重ねて、感じてやっていくという感覚が多かったかもしれません。
――花組から帰ってきて、ご自分でも新たな何かを持って帰ってきたなとか、そういった実感みたいなものはありましたか?
そうですね……花組に戻ってからの半年ちょっとという時間も、自分の中ではすごく必要な時間でした。花組に戻ったら、今まで自分がお世話になっていた上級生の皆さんがいなくなっていて、自分が上級生になっていたんです。雪組で学んだことなどを、何か伝えられたらいいなとすごく思うようになった時間があって、それからまた雪組に戻って。
私は人に言葉でうまく教えるようなことが得意ではないんですが、何か自分が今までに培ってきたもので大切にしているものはしっかり貫いて、「娘役としてのこだわりをこだわる」というのは、やっぱり大切にしていこうと思っていました。咲さんとご一緒して、ふたりで作品を作っていく中で、またそこにどんどん積み上げていくような感覚でした。立ち止まらず、後戻りせず、ひたすら前に、どんなことがあっても、1ミリでも前に、前に、前に、という感覚でした。
――前に、前に、というその感覚は、今にもつながっていますか?
そうですね、後戻りしそうになっても踏ん張って、前に、前に、前に、というのは、自分の中に大きくあります。
――彩風さんはダンスの名手ですが、一緒にダンスを踊るというのは、朝月さんにとってどんなご経験になりましたか?
すごく勉強になったのは、咲さんの音の捉え方ですね。ここでこういう風に取られるから、あの残像がすごく綺麗な咲さんの踊りができるのかなと。一緒に体感しながら、ここでこう咲さんは取られているんだと、教えてくださったり、一緒に踊って体感したりと、すごく感じていました。あとは、ストーリーをすごく大切に作っていったのが大きいかなと思います。
――確かに、おふたりのダンスから物語性をすごく感じました。『ル・ポァゾン 愛の媚薬 -Again-』でもその辺をご覧いただけますね。
そうですね、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。
『歌喜劇/~蘇る市場三郎 冥土の恋~』
●あらすじ
毎度毎度恋に破れ、つかみかけた幸せを逃し続けている市場三郎。
相変わらず厳しい環境の三田運送会社で働いている。
7年ぶりの慰安旅行、行先は京都大阪関西ツアー。
行く先々で実らぬ恋を経験してきたが早速京都では懲りずに舞妓はんに声をかけたり。
そして三郎は精進料理を食べに訪れた「青福寺」で美しい僧侶・青蓮と出会う。
良い雰囲気になるものの、次の観光地へ行くため名残惜しそうに別れる二人。
次に訪れたのは大阪・通天閣。
そしてうっかりが過ぎる事故のため、三郎がたどり着いたのは「あの世・黄泉の国」。
するとそこにはあの美しい僧侶・青蓮もいて……。
温泉宿、グアムと続き、今回の舞台は冥土?!
今度こそ、三郎の恋は実るのか……!
●キャスト・スタッフ
出演:濵田崇裕 朝月希和 笠松はる 大堀こういち 玉置孝匡 高木稟 前田悟 山岸門人 シューレスジョー 松之木天辺
脚本:福田転球
演出:河原雅彦
●公演情報
【東京公演】東京グローブ座
2025年6月30日(月)~7月27日(日)
【京都公演】京都劇場
2025年8月1日(金)〜8月10日(日)
ヘアメイク:西川直子
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