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“6代目ボンド”の集大成…ボンドの進化と成長にはダニエル・クレイグ自身の15年が投影

“6代目ボンド”の集大成…ボンドの進化と成長にはダニエル・クレイグ自身の15年が投影

映画『007ノー・タイム・トゥ・ダイ』が128日からRakuten TVで配信がスタートした。ショーン・コネリージョージ・レーゼンビーロジャー・ムーアティモシー・ダルトンピアース・ブロスナンが演じてきた“ジェームズ・ボンド”を、2006年に公開された『007カジノ・ロワイヤル』からダニエル・クレイグ6代目として引き継いだ。その後、『007慰めの報酬』、『007スカイフォール』、『007スペクター』、そして2021年に最新作で6代目の最終作となる『007ノー・タイム・トゥ・ダイ』が公開された。


ジェームズ・ボンドは、英国秘密情報部MI6に所属する諜報部員。“殺しのライセンス00(ダブルオー)”を保有しており、その中でも007の称号を持つボンドは最高の腕利きである。007”シリーズの歴史は長く、先に挙げたように個性派俳優たちによってボンドが演じ継がれている。作品数の多い人気シリーズのため「どこから見ていいのか分からない」という人も多いかもしれないが、クレイグによる6代目ボンドに興味を持った人は、まずは彼が出演している5作品を見ることをおすすめする。その理由は、クレイグの出演作はそれまでの流れを受け継いだものではなく、新たにリブートされた作品だからだ。

1作目の『007 カジノ・ロワイヤル』は、“殺しのライセンス”を得たばかりのボンドの活躍が描かれており、敵に毒を守られて仮死状態になったり、出会った美しい女性のヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)と真剣な恋に落ちて“スパイを辞める”と言い出したり、まだまだ“若さ”を感じさせるボンドを演じた。それまでのボンドとはイメージが違っていたことから、公開前は批判的な声も多かったが、その人間臭い部分もあるシリアスなボンドに、公開後は評価が一転。ハマり役として、多くの人が支持するようになった。

329002,『007 カジノ・ロワイヤル』

2作目の『007 慰めの報酬』はシリーズ初の続編。前作ラストの1時間後から物語がスタートする。前作で亡くなった最愛の女性の復讐(ふくしゅう)が描かれていて、ヒロインのカミーユ・モンテス(オルガ・キュリレンコ)とは恋愛関係ではなく、同じ目的のパートナーとしてタッグを組んでいるのも、このシリーズでは珍しいパターン。

329003,『007 慰めの報酬

3作目の『007 スカイフォール』は、過去のシリーズ作では触れられていないボンドの生い立ちも描かれていて、一人の人間としてのボンドの魅力が伝わる作品に。4作目『007 スペクター』は、国際的犯罪組織「スペクター」が登場。スペクターは、シリーズの過去作にも登場している組織で、以前の作品へのオマージュ的なものも随所に見ることができる。この作品で、ボンドは現役を退き、ジャマイカで静かな生活を手に入れた。

329004,『007 スカイフォール

そして5作目の『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』。クレイグによる6代目ボンドの最終作で、最大の危機が描かれた集大成。現役を退いたボンドだが、静かな生活は長くは続かず、CIAの旧友フィリックス・ライターからのお願いで誘拐された科学者を救出するのを手伝うことに。ラミ・マレック演じるサフィンとの対決はもちろんだが、これまでの伏線を回収するかのように、前4作と関わりのあるシーンも多く、2時間43分の大作だが、見始めるとあっという間に感じる。

5つの作品で、危なっかしい新任時代から腕の立つスパイへと成長し、役目を終えての引退、そして復帰と、ボンドの苦楽を含めた人生が描かれているが、15年の歳月の中で、演じているクレイグ自身も役者として、1人の人間として成熟し、最新作では“ボンドとして生きた”ことがしっかりと伝わってきた。この5作はボンドとクレイグの成長物語。前4作も含めて、この集大成作品を楽しんでもらいたい。

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